講演情報

[摂食更新P-29]摂食嚥下障害を伴う施設在住高齢者の食形態維持に影響する因子の検討―後ろ向きコホート研究―

○高橋 賢晃1 (1. 日本歯科大学 口腔リハビリテーション 多摩クリニック)
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【目的】
 施設に入居する要介護高齢者は,全身機能の低下に加えて口腔咽頭機能の低下により摂食嚥下機能障害を伴うことが多い。摂食嚥下障害患者に対して摂食嚥下機能評価を行い機能に適した嚥下調整食の提供により安全な経口摂取を継続することが可能となる。一方で,嚥下調整食は,普通食と比較するとエネルギー摂取量やタンパク摂取量が低い傾向があるため嚥下調整食の摂取により低栄養リスクが生じる。施設在住高齢者において,摂取する食形態を維持することは,生活の質の維持および低栄養の予防の観点から重要である。本研究の目的は,施設入居する要介護高齢者に対して1年間の食形態の変遷を調査し,固形食(押しつぶしや咀嚼を必要とする食形態)の摂取を維持するために必要な条件を明らかにすることである。
【方法】
 施設に入居する要介護高齢者256名のうちベースライン時に固形食を摂取していた者で,1年後の再評価が可能であった143名(男性32名,女性111名,平均年齢85.1±7.7歳)を対象とした。評価項目は,年齢,性別,基礎疾患,日常生活動作,栄養状態,口腔内状況,嚥下機能,原始反射,食形態とした。1年後に対象者が摂取している食形態を調査した。固形食を1年後も摂取していた者を食形態維持,1年後にペースト食以下を摂取した者を食形態低下として抽出し,食形態の維持に影響する因子について検討した。
【結果と考察】
 1年後,コード2以下,すなわち,ペースト食を摂取していた者は21名(14.7%)であった。コード3を摂取していた者は61名(42.7%),コード4および普通食を摂取していた者は61名(42.7%)であり,すなわち,固形食は,122名(85.3%)であった。多変量解析の結果,固形食の維持と関連したのは,ADLが良好(p≤0.05),嚥下機能が良好(p≤0.05),栄養状態の維持(p≤0.05),であった。食形態を維持するために,ADL,摂食嚥下機能および栄養状態を維持することが重要であると考えられた。
(COI 開示:なし)
(日本歯科大学生命歯学部 倫理審査委員会承認番号 NDU-T2013-02)