講演情報

[摂食更新P-31]加齢性嚥下機能低下を伴う高齢者における低舌圧・サルコペニアの併存と咽頭残留の関連

○古屋 裕康1 (1. 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック)
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【目的】 加齢に伴う嚥下機能低下において,低舌圧は局所機能低下,サルコペニアは全身機能低下を示す。しかし,両者が併存した場合の嚥下機能との関連は十分に解明されていない。摂食機能療法専門歯科医師として実施した研究活動として,両者の併存状態と嚥下効率の指標である咽頭残留との関連を検討し,その結果を報告する。【方法】 明確な原因疾患がなく,嚥下困難を主訴として来院した患者102名(男性61名,平均年齢80.2 ± 7.5歳)を対象とした横断研究である。低舌圧とサルコペニアを評価し,両者の併存状態をTongue-Sarcopenia Composite Score(TSCS:0-2点)として定量化した。主要評価項目は,嚥下造影検査による半固形食嚥下後の咽頭残留(Bolus Residue Scale ≧ 2)とした。TSCSと咽頭残留有病率の線形傾向をCochran–Armitage傾向検定で検証した。さらに,TSCSと咽頭残留の関連を多変量ロジスティック回帰分析で評価した。【結果と考察】 低舌圧は69.6%,サルコペニアは49.0%,両者の併存は38.2%に認められた。咽頭残留の有病率は,TSCS 0点群30.0%,1点群60.5%,2点群82.1%と段階的に増加した(p < 0.001)。多変量解析では,TSCSは咽頭残留と関連した(調整オッズ比3.53,95%信頼区間1.86 – 7.22)。感度分析でも結果は一貫した。低舌圧とサルコペニアの併存状態の評価は,嚥下機能評価において有用である可能性が示唆された。今後も,摂食機能療法専門歯科医師の立場から臨床疑問に基づく研究活動を継続し,知見の蓄積を図る。Furuya H, Kikutani T, Yokota Y, Ozeki M, Tamura F.:Association of Coexisting Low Tongue Pressure and Sarcopenia with Pharyngeal Residue in Older Adults with Presbyphagia. Dysphagia. in press, 2026.(COI 開示:なし)(日本歯科大学 倫理審査委員会承認番号 T2017-41)