講演情報

[摂食更新P-33]ICTを用いた遠隔での嚥下臨床指導

○中川 量晴1 (1. 東京科学大学大学院医歯学総合研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野)
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【目的】オンライン診療は,実際の食事場面を観察でき,対話での指導が可能なことから遠隔での臨床指導との親和性が高い。地域開業医とオンラインでつながり摂食機能療法に関する助言,指導を実施した成果およびそれに関わる活動を報告する。
【方法】2021年より静岡県の歯科医院と連携し,以下の体制・内容で遠隔での嚥下診療の助言,指導を実施している。患者宅での同席者は,歯科医師,歯科衛生士,訪問看護師,ケアマネージャー,家族等で,オンライン側は摂食機能療法専門歯科医師。患者宅ではスマートフォンで患者の食事場面やVE画像を撮影し,専門医はリアルタイムでVE所見の確認,訪問歯科医師への助言および患者への指導をした。また,その他の遠隔指導に関わる活動として,令和6年度の老健事業「訪問系及び短期入所サービスにおける口腔の連携強化に関する調査研究事業」で,オンライン診療に関する質問紙調査を実施した。さらに,厚生労働省会議(中央社会保険医療協議会)の資料作成に対する助言ならびに情報提供をおこなった。
【結果と考察】静岡との遠隔指導の事例は,「令和7年度ICTを活用した歯科診療等の調査検証事業(厚生労働省)」のモデル事業成果として報告し,専門的な診断や治療を受けることが困難な地域へのアクセス改善に向けて活動を続けている。老健事業の調査結果を要約すると,6割以上の歯科医療機関が情報通信機器を用いた口腔に係る技術的助言及び指導が実施可能になったことを認知しており,今後実施してみたいと回答したのが42.9 %であった。また,中央社会保険医療協議会資料に「摂食嚥下障害患者へ情報通信機器を活用した診療の有効性」が掲載された。その他にオンライン診療と摂食機能療法に関するエビデンスをいくつか示した。オンライン診療は感染対策に寄与する(長澤,中川ら),嚥下障害に関連するイベント(誤嚥や窒息など)を軽減させる(Moritoyo R, Nakagawa K et al.),介護現場でも有効である(Okumura T, Nakagawa K et al.)などを報告した。歯科医療機関側は遠隔での連携によるメリットが大きいと感じていることから,受け入れ体制は整いつつある。オンライン診療は摂食機能療法における新しいソリューションとして応用可能であろう。

COI開示:なし
東京科学大学歯学系倫理審査委員会 承認番号S2025-042