講演情報

[摂食更新P-38]新設の介護老人福祉施設における摂食嚥下リハビリテーションシステムの立ち上げ(活動報告)

○礒田 友子1 (1. 日本歯科大学)
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【目的】
 介護老人福祉施設入居者は,加齢や基礎疾患に伴い口腔環境の悪化と摂食嚥下機能の低下が併発しているケースが多い。そのため,歯科訪問診療においては,従来の口腔衛生管理や歯科治療のみならず,摂食嚥下リハビリテーションを含めて包括的に取り組むことが不可欠である。そこで,新設の介護老人福祉施設において,包括的な歯科介入を構築・実施したので報告する。
【方法】
 演者は,東京都23区内に2025年に新設された介護老人福祉施設(以下,施設)の協力歯科医療機関として歯科訪問診療を行った。診療の流れは,歯科訪問診療の希望を受けて,施設から提供される患者のフェイスシートから情報(年齢,性別,基礎疾患,介護度,ADL)を収集し,口腔内診査(歯式,OHAT,歯周組織検査)と口腔機能検査(舌苔指数,舌圧,咬合圧,オーラルディアドコキネシス)を行った。さらに,ケアマネジャー,管理栄養士,看護師,介護支援員と週1回のミールラウンドを行い,食形態や食事介助方法などの食環境の整備を行った。第2診察日から,口腔衛生管理や歯科治療を開始した。
【結果と考察】
 歯科訪問診療を希望されたのは75名(2025年4月~12月)であった。主訴が摂食嚥下機能の評価依頼は53名(71%)であった。摂食嚥下機能評価の依頼でない場合も,患者情報と口腔内診査,口腔機能検査の結果からミールラウンドの必要性を判断し,実施したケースもあり,摂食嚥下障害者を早期発見し対応することができた。さらに,月1回のカンファレンスでは,施設内の他職種と共に入居者の食の生活支援について協議した。
 また,介護老人福祉施設の入居者の口腔内の実態は歯冠崩壊や不衛生が多発しており,誤嚥性肺炎予防を目的に,歯科(訪問)-歯科(外来)連携により口腔内の環境整備を積極的に務めた。
 同施設の歯科訪問診療においては,地域の歯科医師会会員が摂食嚥下リハビリテーションを含めた包括的な歯科訪問診療の在り方を研修できる場としても活用でき,現在,摂食嚥下リハビリテーションを行える歯科医師を育成中である。
 施設新設後の2年目に向けては,施設職員の口腔ケア介助のスキル向上を目指す取り組みとして,講義と実習を予定している。さらに,介護老人福祉施設内での福祉職と医療職の連携を図る役目を摂食機能療法専門歯科医師として果たす予定である。
(COIの開示:なし)
(倫理審査対象外)