講演情報

[LS4]国際う蝕分類・管理システム [ICCMSTM ] とその活用を支援するアプリの紹介

○桃井 保子1、○角田 衣理加2 (1. 鶴見大学 名誉教授/ACFF日本支部監事、2. 日本大学松戸歯学部感染免疫学講座 兼任講師/ACFF日本支部理事)
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【桃井 保子先生 略歴】
1976年 鶴見大学歯学部卒業
1976年 鶴見大学歯学部 第一歯科保存学教室 助手
1983年 同教室 講師
1991年 英国ニューキャッスル大学 研究員
2003年 鶴見大学歯学部保存修復学講座 教授
2007年 日本歯科保存学会う蝕治療ガイドライン作成委員長
2018年 鶴見大学 名誉教授
2020年~現在 ISO Oral Care Products 技術委員会国際議長

【角田 衣理加先生 略歴】
2004年 鶴見大学歯学部卒業
2010年 鶴見大学歯学部探索歯学講座 学部助手
2014年 世界保健機関(WHO)Oral Health コンサルタント
2015年 鶴見大学歯学部口腔微生物学講座 助教
2024年 同講座 学内講師
2025年~現在 日本大学松戸歯学部感染免疫学講座 兼任講師
一般社団法人ACFF日本支部が目指すもの
ACFF (Alliance for Cavity Free Future: う窩のない未来への同盟) は、英国に本部をおいて活動する国際ボランティア組織である。日本支部は2018年に設立され、ACFF が世界共通に掲げる ”2030年以降に生まれる子供たちは生涯を通してう窩をつくらない” を目標に活動している。

ICCMS について
ACFF日本支部が取り組んできたのが、う蝕の検出・分類・診断・対処・管理の国際標準システム、 ICCMS (International Caries Classification and Management System) のわが国への導入である。ICCMS は、2010年から欧米を中心としたカリオロジー研究に基づき開発が始まった。2019年にはFDI (世界歯科連盟) が、う蝕リスクを評価する有効なツールとして推奨している。

ICCMSは4要素 (4D: Determine、Detect、Decide、Do) から構成される
要素1: 個人のう蝕リスクの判定 [Determine]
要素2: 各歯のう蝕の検出と評価[Detect]
要素3: 各歯の統合したう蝕リスクを判定[Decide]
要素4: リスクに応じた処置の実行[Do]
要素1で判定した患者個人のう蝕リスクと、要素2で評価した各歯のう蝕病変の評価から、要素3で各歯の統合したう蝕リスク (その歯にう蝕が発生する可能性またはその歯のう蝕病変が進行する可能性)を導き出す。そのリスクを、「低」「中」「高」の3段階に分類し、要素4で各段階に応じたセルフケアとプロフェッショナルケア、およびリコール間隔を提案する。要素1から4 (4D) を回し続けることで、生涯にわたり、人々のう蝕リスクを低減する。

ICCMS e-ラーニング日本語版の開発
ACFF日本支部は、設立年の2018年に、ICCMS を日本に普及するための基礎資料として、英語原版のICCMS解説文書の日本語訳を完成させた。つづいて、2020年からICCMS 英語版 e-ラーニングの日本語版の制作・監修に着手した。完成した日本語版 e-ラーニングは、歯科医療従事者対象の研修会で紹介してきた。現在、ACFF日本支部のホームページにアイコンを設け、誰もがフリーアクセスで利用できる環境にしている。

ICCMS e-ラーニング日本語版を支援するアプリの開発
ICCMS を広く教育や臨床の場に普及するために、2024年からe-ラーニングを支援するアプリの開発をスタートさせた。「個人のう蝕リスク」と「う蝕の重症度と活動性」のデータを入力すると、「対象となる歯の統合したう蝕リスク」が導き出され、リスクへの対応が提示されるユーザーフレンドリーなソフトプログラムである。
本ランチョンセミナーでは、本年3月に完成したこの支援アプリについて、実際の臨床にどのように使うかをわかりやすく解説する。