講演情報

[O-1-7]長崎大学歯学部の離島実習における学部横断型共修教育─医(医学科、保健学科)・歯・薬学部による実践─

○村田 比呂司1、久松 徳子2、角 忠輝3 (1. 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 歯科補綴学分野、2. 長崎大学病院医療教育開発センター、3. 長崎大学生命医科学域総合歯科臨床教育学分野)
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【目的】
 長崎大学歯学部は1979年に設立され、“基本的教養と幅広い歯科口腔医学専門知識を修得し、今後の歯科口腔医学、歯科口腔医療を切り拓くとともに社会に信頼される歯科医師および研究者を養成する”ことを理念としている。長崎は高齢化率が全国的にも高く、離島へき地および斜面地における地域歯科口腔医療の提供体制に多くの課題を抱えている。そのため当該地域の保健・医療・福祉の側面から総合的に支援できる歯科医師の育成も目指している。その一環として本学では「医(医学科、保健学科)・歯・薬学部共修の離島実習」を行っている。この取り組みを報告する。
【方法】
 同離島実習は当初は医学部薬学部共修であったが、2009年より歯学部の臨床実習(5年後期~6年前期)の一部として必須化した。歯学部では総合歯科臨床教育学分野を中心に同離島実習のカリキュラムを構築した。実習は「医療」、「介護」、「行政」という3つの観点より実施している。実習の最終日には五島中央病院離島医療研究所にて医歯薬学部生で実習振り返りを行っている。
【結果と考察】
 歯学部では5年生で「離島歯科医学」を開講し、講義を通じて離島地域の医療、保健、福祉、および地域包括ケアシステムや多職種連携の概念を学んでいる。関連して「在宅介護医療」という科目では、チーム医療、在宅・訪問歯科診療に関する基礎を教授している。離島実習では「医療」として、五島市の開業歯科医院での訪問歯科診療の同行や二次離島の歯科診療所の見学、さらに総合病院では医・薬学部との共修を通じて、将来の医療チームとしての連携や他職種との共同活動を学んでいる。「介護」では特別養護老人ホームやデイサービスでの介護、口腔ケアの手伝いを経験している。「行政」の観点から、五島保健所での医歯薬学部生でPBL方式での業務のシミュレーションを行い、保健所業務の理解を深めている。また五島市健康政策課が実施する健康教室では、高齢者を対象に健康講和を行っている。このように離島実習を通じて在宅医療、多職種連携によるチーム医療などの社会的ニーズを学び、歯科医師としての社会貢献の精神を育んでいる。学生からの振り返りおよび教員からの感想からも医歯薬共修教育の有用性も示された。しかしながらまだ十分とは言えず、今後さらなる離島歯科医学教育の拡充が重要と考える。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)