講演情報
[O-2-1]病院歯科から在宅歯科へ移行した上顎骨骨髄炎患者における継続的口腔健康管理の一症例
○光吉 平1、上西 加奈子1、村西 加寿美1 (1. 光吉歯科医院)
【緒言・目的】
高齢者医療においては,入院中は病院歯科が口腔健康管理に関与する一方,退院後の在宅移行期において,歯科的支援の継続が円滑に行われているとは言い難い.骨髄炎は慢性化,進行しやすく治癒を目的とした治療のみならず,生活の中で口腔状態をどのように維持し,在宅療養を支えていくかという視点が重要である。本症例では,病院歯科から在宅歯科へ移行した上顎骨髄炎患者に対し,継続した口腔健康管理を行った一症例について報告する。なお,本報告の発表については患者本人から文書による同意を得ている.
【症例および経過】
症例は85歳,女性.基礎疾患として乳がんを有し,2012年12月から2024年までゾレドロン酸(ゾメタ®)の投与歴があり,現在はアナストロゾールを内服中であった.2024年2月,発熱および炎症の増悪を主訴に救急外来を受診し,上顎骨髄炎疑いにて口腔外科へ紹介された.口腔内は自己ケア困難で汚染が強く,病院歯科より在宅での口腔健康管理が必要と判断され,訪問歯科を勧められ当院へ依頼となった.依頼時,ケアマネジャーより食事量の低下および食べる意欲の低下がみられるとの訴えがあった.在宅移行後は週1回の頻度で在宅歯科が介入し,疼痛や炎症に配慮した専門的な口腔管理を継続した.介入初期には,粘膜清掃時の疼痛により口腔ケアへの拒否がみられたが,疼痛に配慮した清掃方法の工夫と継続的な関わりにより,出血や疼痛の訴えは徐々に軽減した.数か月の経過で摂食量の増加が認められ,表情や発語も増え,口腔ケアへの協力度は向上した.病変の進行を認めたものの,急性増悪や強い疼痛の出現はなく,現在も週1回の在宅歯科による口腔健康管理を継続し,在宅療養を維持している.また,病院歯科とは定期的に情報共有を行っている.
【考察】
骨髄炎は,基礎疾患や長期の薬物治療歴を有する患者において進行しやすく,適切な管理を行っても治癒に至らない症例が存在する.そのため病変の完治を目標とするのではなく,急性増悪の予防,疼痛の軽減,摂食機能の維持など、生活を支える視点が重要である.本症例では、継続した関わりにより口腔ケアへの受容が高まり,食事摂取状況の改善がみられ,在宅療養を維持することが可能であった.継続した口腔健康管理は,在宅療養を支える上で重要である.(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
高齢者医療においては,入院中は病院歯科が口腔健康管理に関与する一方,退院後の在宅移行期において,歯科的支援の継続が円滑に行われているとは言い難い.骨髄炎は慢性化,進行しやすく治癒を目的とした治療のみならず,生活の中で口腔状態をどのように維持し,在宅療養を支えていくかという視点が重要である。本症例では,病院歯科から在宅歯科へ移行した上顎骨髄炎患者に対し,継続した口腔健康管理を行った一症例について報告する。なお,本報告の発表については患者本人から文書による同意を得ている.
【症例および経過】
症例は85歳,女性.基礎疾患として乳がんを有し,2012年12月から2024年までゾレドロン酸(ゾメタ®)の投与歴があり,現在はアナストロゾールを内服中であった.2024年2月,発熱および炎症の増悪を主訴に救急外来を受診し,上顎骨髄炎疑いにて口腔外科へ紹介された.口腔内は自己ケア困難で汚染が強く,病院歯科より在宅での口腔健康管理が必要と判断され,訪問歯科を勧められ当院へ依頼となった.依頼時,ケアマネジャーより食事量の低下および食べる意欲の低下がみられるとの訴えがあった.在宅移行後は週1回の頻度で在宅歯科が介入し,疼痛や炎症に配慮した専門的な口腔管理を継続した.介入初期には,粘膜清掃時の疼痛により口腔ケアへの拒否がみられたが,疼痛に配慮した清掃方法の工夫と継続的な関わりにより,出血や疼痛の訴えは徐々に軽減した.数か月の経過で摂食量の増加が認められ,表情や発語も増え,口腔ケアへの協力度は向上した.病変の進行を認めたものの,急性増悪や強い疼痛の出現はなく,現在も週1回の在宅歯科による口腔健康管理を継続し,在宅療養を維持している.また,病院歯科とは定期的に情報共有を行っている.
【考察】
骨髄炎は,基礎疾患や長期の薬物治療歴を有する患者において進行しやすく,適切な管理を行っても治癒に至らない症例が存在する.そのため病変の完治を目標とするのではなく,急性増悪の予防,疼痛の軽減,摂食機能の維持など、生活を支える視点が重要である.本症例では、継続した関わりにより口腔ケアへの受容が高まり,食事摂取状況の改善がみられ,在宅療養を維持することが可能であった.継続した口腔健康管理は,在宅療養を支える上で重要である.(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
