講演情報

[O-2-5]中咽頭癌術後患者に対して短期間の教育入院を通じて経口摂取を開始した1例

○持田 航1、野末 真司2、原田 由香2、那小屋 公太2、砂川 厚実2、高橋 浩二2,3、伊原 良明2 (1. 昭和医科大学大学院 歯学研究科 口腔機能リハビリテーション医学分野、2. 昭和医科大学 歯学部 口腔健康管理学講座 口腔機能リハビリテーション医学部門、3. 医療法人徳洲会館山病院 口腔機能リハビリテーションセンター)
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【緒言・目的】
 中咽頭癌の外科治療および放射線治療施行後に胃管栄養管理となった患者に対して,外来での歯科的処置・間接訓練および短期間の嚥下訓練のための教育入院を併用することで嚥下機能の改善を認めた症例を経験したので報告する。なお,本報告は患者本人より文書による同意を得ている。
【症例および経過】
 81歳,男性。高血圧の既往あり。2023年9月に中咽頭癌に対して,左頸部郭清術・中咽頭腫瘍切除術・前外側大腿皮弁再建術・気管切開術が施行された。その後放射線治療が行われ,摂食嚥下リハビリテーション目的にて2024年6月に当院当科受診となった。初診時の嚥下造影検査(VF)では中間のとろみ水にてPenetration-Aspiration Scale(PAS)は5であり,咽頭への送り込み不全,梨状陥凹の残留および嚥下反射惹起遅延を認め,Functional Oral Intake Scale(FOIS)はLevel1であった。
 初診評価後自宅での間接訓練を指導し,外来ではゼリーを用いた直接訓練,舌接触補助床(PAP)の作製を行った。6ヶ月経過の同食形態で施行したVFではPAPの装着・リクライニング60度体幹左傾斜頸部右回旋の姿勢調整下にて梨状陷凹の残留量減少が認められ,PASは2であった。
 その後自宅での直接訓練開始のための手技獲得を目的とした短期間の入院下教育訓練を施行した。入院中は自宅で再現可能な姿勢調整法や嚥下内視鏡でのバイオフィードバックを活用した直接訓練を主に指導した。入院初日はクラッシュ状ゼリーの経口摂取から開始し,退院時にはPAPの装着・姿勢調整下にてぺースト食を誤嚥なく摂取可能となった。また自己吸引を指導し,自宅での直接訓練を開始した。
 退院後は自宅での直接訓練を中心とし,外来では食事姿勢を座位とすることを目指した。18ヶ月経過の同食形態で施行したVFではPAPの装着・座位姿勢にて,複数回嚥下にて梨状陥凹への残留は認めずPASは1であった。また初診時から現在まで発熱などは認めておらず,現在のFOISはLevel3である。
【考察】
 本症例では教育入院を通じて高負荷で適切な訓練内容や自己吸引など誤嚥リスクに対する対応法を積極的に指導できたことから,安全に食形態を改善することができたと考える。
( COI 開示:なし)(倫理審査対象外)