講演情報
[O-3-1]舌運動トラッキングAIの開発-Pilot study-
○原口 天志1、権田 知也1、豆野 智昭1、池邉 一典1 (1. 大阪大学大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座)
【目的】
高齢者における舌運動は,摂食嚥下機能において重要であり,その定量的評価は口腔機能低下の早期発見に寄与し得る。しかし, 舌の画像解析における既報の多くは, 静止画解析にとどまり,舌運動中の舌尖を動的に追跡可能な機械学習モデルの報告はない。そこで本研究では,舌尖位置の追跡を可能にする機械学習モデルを開発し,測定性能を評価した。
【方法】
地域在住高齢者10名(男性7名,女性3名,平均年齢69.7歳)を対象に,深度カメラIntel RealSense Depth Camera D455(Intel , USA)を用いて左右方向への舌突出運動を三次元的に撮影した。取得した動画から舌突出時の静止画像を抽出し,機械学習モデルの構築に利用した。学習用舌画像は1081枚,検証用舌画像は271枚とした。学習用画像では,舌尖を囲む20×20ピクセルの領域をアノテーションした。機械学習モデルとして,事前学習済みモデルYOLOv8(Ultralytics, USA)を転移学習して舌尖検出モデルを作成した。構築したモデルを用いて舌尖の三次元座標を取得した。測定性能を評価するため,測定者が三次元動画上で舌の左右最大突出時における舌尖間距離を測定し,舌尖検出モデルによる測定値と比較した。得られた舌尖間距離を用い,級内相関係数(以下, ICC[2,1])により信頼性を検討した。さらに,一致性の評価にはBland–Altman分析を用い,固定誤差と比例誤差を確認した。
【結果と考察】
ICC(2,1)は0.80であり,舌尖間距離の測定値は測定者とモデルの両者間で高い一致を示した。Bland–Altman分析の結果,差の平均は-0.13 mm(95%信頼区間:-2.90–3.15),回帰係数は0.40(p=0.083)であり,固定誤差,比例誤差はともに認められなかった。以上より,舌尖検出モデルは測定者との間で高い一致性と信頼性を有することが示された。
今後は,舌尖検出モデルの検出,追跡性能を向上し,舌運動を評価するとともに,口腔機能との関連性について評価する。
( COI 開示:なし)
(大阪大学大学院歯学研究科・歯学部および歯学部附属病院 倫理審査委員会承認番号 R4-E7)
高齢者における舌運動は,摂食嚥下機能において重要であり,その定量的評価は口腔機能低下の早期発見に寄与し得る。しかし, 舌の画像解析における既報の多くは, 静止画解析にとどまり,舌運動中の舌尖を動的に追跡可能な機械学習モデルの報告はない。そこで本研究では,舌尖位置の追跡を可能にする機械学習モデルを開発し,測定性能を評価した。
【方法】
地域在住高齢者10名(男性7名,女性3名,平均年齢69.7歳)を対象に,深度カメラIntel RealSense Depth Camera D455(Intel , USA)を用いて左右方向への舌突出運動を三次元的に撮影した。取得した動画から舌突出時の静止画像を抽出し,機械学習モデルの構築に利用した。学習用舌画像は1081枚,検証用舌画像は271枚とした。学習用画像では,舌尖を囲む20×20ピクセルの領域をアノテーションした。機械学習モデルとして,事前学習済みモデルYOLOv8(Ultralytics, USA)を転移学習して舌尖検出モデルを作成した。構築したモデルを用いて舌尖の三次元座標を取得した。測定性能を評価するため,測定者が三次元動画上で舌の左右最大突出時における舌尖間距離を測定し,舌尖検出モデルによる測定値と比較した。得られた舌尖間距離を用い,級内相関係数(以下, ICC[2,1])により信頼性を検討した。さらに,一致性の評価にはBland–Altman分析を用い,固定誤差と比例誤差を確認した。
【結果と考察】
ICC(2,1)は0.80であり,舌尖間距離の測定値は測定者とモデルの両者間で高い一致を示した。Bland–Altman分析の結果,差の平均は-0.13 mm(95%信頼区間:-2.90–3.15),回帰係数は0.40(p=0.083)であり,固定誤差,比例誤差はともに認められなかった。以上より,舌尖検出モデルは測定者との間で高い一致性と信頼性を有することが示された。
今後は,舌尖検出モデルの検出,追跡性能を向上し,舌運動を評価するとともに,口腔機能との関連性について評価する。
( COI 開示:なし)
(大阪大学大学院歯学研究科・歯学部および歯学部附属病院 倫理審査委員会承認番号 R4-E7)
