講演情報
[O-4-5]訪問系および短期入所サービス利用高齢者の食事形態に関連する要因分析
○髙橋 知佳1,7、中川 量晴1,7、吉見 佳那子1,7、石井 美紀1,7、渡邊 賢礼2,7、玉田 泰嗣3,7、奥村 拓真3,7、松原 ちあき4,7、増田 恵美奈5,7、渡邊 裕3,7、平野 浩彦6,7、戸原 玄1 (1. 東京科学大学大学院 医歯学総合研究科 摂食嚥下リハビリテーション学分野、2. 昭和医科大学歯学部 口腔衛生学講座、3. 北海道大学大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 高齢者歯科学教室、4. 静岡県立大学短期大学部 歯科衛生学科、5. 日本歯科医師会 日本歯科総合研究機構、6. 東京都健康長寿医療センター病院 歯科口腔外科、7. 日本老年歯科医学会 特任委員会(老健事業))
【目的】
訪問系および短期入所サービスを利用する要介護高齢者に対する口腔評価は、看護・リハ・介護職種等が「口腔の健康状態の評価」を実施し、歯科医療機関への情報提供等に活用している。また介護現場では、歯科専門職種は口腔管理と食支援に関与する役割が求められる。本研究は、口腔の健康状態の評価および歯科専門職による口腔の評価に基づき、要介護高齢者の食事形態と関連する要因を明らかにすることを目的とした。
【方法】
令和6年度に実施した老健事業『訪問系および短期入所サービスにおける口腔の連携強化に関する調査研究事業』のデータを用いた後ろ向き観察研究である。対象者が摂取する食事形態を「常食」「配慮を要する常食」「嚥下調整食」の3群に分類し、順序化した。目的変数を食事形態、説明変数を年齢、認知症高齢者の日常生活自立度、機能歯数、オーラルディアドコキネシス(ODK)の/ta/、および口腔の健康状態の評価のうちの「左右の奥歯でかみしめられる」とし、順序ロジスティック回帰分析を行った。
【結果と考察】
86名のデータを解析した結果、ODKの/ta/のみが食事形態と有意に関連し(n=77 , B=0.635,95%CI:0.183–1.086,p=0.006)、ODKが良好な者ほど常食に近い食事形態であるオッズが高かった。一方、左右の奥歯でかみしめられる(n=86, B=1.261,95%CI:−0.062–2.584,p=0.062)、機能歯数(n=84, B=1.01,95%CI:0.94–1.10,p=0.795)、年齢、認知症高齢者の日常生活自立度はいずれも有意な関連を認めなかった。
訪問系および短期入所サービス利用高齢者の食事形態には、機能歯数や咬合状態よりも、舌の巧緻性を反映するODKが有意に関連した。舌機能は、食塊形成や送り込みなど摂食過程の基盤となる機能であり、食事形態決定の重要な指標となる。令和6年度に新設された口腔連携強化加算では、口腔の評価に基づく他職種連携と歯科医療機関の積極的関与が求められている。訪問診療に関わる歯科専門職は、口腔衛生管理や歯科治療に加え,舌の巧緻性を含む口腔の機能にも注目し、他職種と情報共有しながら食支援に関与することが重要である。(COI開示:なし)(承認番号 老年歯科倫理 2024-4番)
訪問系および短期入所サービスを利用する要介護高齢者に対する口腔評価は、看護・リハ・介護職種等が「口腔の健康状態の評価」を実施し、歯科医療機関への情報提供等に活用している。また介護現場では、歯科専門職種は口腔管理と食支援に関与する役割が求められる。本研究は、口腔の健康状態の評価および歯科専門職による口腔の評価に基づき、要介護高齢者の食事形態と関連する要因を明らかにすることを目的とした。
【方法】
令和6年度に実施した老健事業『訪問系および短期入所サービスにおける口腔の連携強化に関する調査研究事業』のデータを用いた後ろ向き観察研究である。対象者が摂取する食事形態を「常食」「配慮を要する常食」「嚥下調整食」の3群に分類し、順序化した。目的変数を食事形態、説明変数を年齢、認知症高齢者の日常生活自立度、機能歯数、オーラルディアドコキネシス(ODK)の/ta/、および口腔の健康状態の評価のうちの「左右の奥歯でかみしめられる」とし、順序ロジスティック回帰分析を行った。
【結果と考察】
86名のデータを解析した結果、ODKの/ta/のみが食事形態と有意に関連し(n=77 , B=0.635,95%CI:0.183–1.086,p=0.006)、ODKが良好な者ほど常食に近い食事形態であるオッズが高かった。一方、左右の奥歯でかみしめられる(n=86, B=1.261,95%CI:−0.062–2.584,p=0.062)、機能歯数(n=84, B=1.01,95%CI:0.94–1.10,p=0.795)、年齢、認知症高齢者の日常生活自立度はいずれも有意な関連を認めなかった。
訪問系および短期入所サービス利用高齢者の食事形態には、機能歯数や咬合状態よりも、舌の巧緻性を反映するODKが有意に関連した。舌機能は、食塊形成や送り込みなど摂食過程の基盤となる機能であり、食事形態決定の重要な指標となる。令和6年度に新設された口腔連携強化加算では、口腔の評価に基づく他職種連携と歯科医療機関の積極的関与が求められている。訪問診療に関わる歯科専門職は、口腔衛生管理や歯科治療に加え,舌の巧緻性を含む口腔の機能にも注目し、他職種と情報共有しながら食支援に関与することが重要である。(COI開示:なし)(承認番号 老年歯科倫理 2024-4番)
