講演情報

[O-5-3]急性期病院歯科を起点とした転院後の歯科連携体制構築に向けて
―試行錯誤から見えた課題と対策―

○中濱 加奈子1、吉田 泰子1、園井 教裕1,3、猪原 健1,4、吉田 綾香1,2、松永 一幸1,2,4 (1. 脳神経センター大田記念病院 歯科、2. 岡山大学病院 歯科歯周科部門、3. 岡山大学 学術研究院医歯薬学域 医療教育センター、4. 猪原[食べる]総合歯科医療クリニック)
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【目的】
 広島県福山市では歯科併設病院が約2割と少なく,回復期や維持期でより少ない。当院は脳卒中患者の多い急性期の歯科併設病院であり,入院早期に歯科介入を実施する体制を有している。一方,転院先では歯科併設病院が少ないため,病院・施設の協力歯科医院に介入を依頼する運用が多い。当院から転院先での歯科介入継続を依頼するには,病院・施設へ情報提供書を送付し,協力歯科医院の介入を依頼する必要があるが,当院側では転院先での歯科継続状況の把握が困難であった。そこで,情報提供書と返書用紙を用いた歯科連携体制を構築し,協力歯科医院から当院宛てに直接返書を受領する運用とした。その結果,転院先での歯科継続状況把握は可能となったが,返書率が低いことが課題であった。本研究は,従来の連携体制における課題を整理し,対策前後での返書率や歯科継続率の変化を比較検討することを目的とした。
【方法】
 2023年4~10月(対策前)と2024年4~10月(対策後)に,当院歯科が介入後に転院となった入院患者を対象とした。対策前は,当院歯科から転院先へ情報提供書1部と返書用紙を送付し,転院先が情報提供書を複写した上で協力歯科医院へ介入を依頼し,協力歯科医院が当院へ返書を送信する運用とした。対策後は,当院から情報提供書2部と改訂した返書用紙を送付し,返書の送信主体を転院先病院・施設の担当者へ変更するとともに,返書用紙は協力歯科医院への依頼状況を記載する方式へ改訂した。対策前後の返書率・歯科継続率を比較した。
【結果と考察】
 対策前の返書率(=歯科継続率)は24.8%であり,特に協力歯科医院数が2施設以上の場合の方が,単独の場合と比較して返書率は低い傾向にあった。一方,対策後は返書率70.9%,歯科継続率41.9%へと改善した。対策として,返書の送信主体を転院先病院・施設の担当者へ変更するとともに,返書用紙は協力歯科医院への依頼状況を記載する方式へ改訂した。その結果,協力歯科医院まで依頼が到達しない場合も含めて歯科介入状況を把握できるようになり,返書回収の改善に加えて歯科継続状況の把握にも有用であった。急性期病院歯科が起点となって転院先の歯科連携体制を構築することは,転院後の歯科介入継続に寄与しうることが示唆された。
(COI 開示:なし)
(脳神経センター大田記念病院倫理委員会承認番号 362)