講演情報
[P-004]要支援・要介護高齢者における口腔機能精密検査と視診による口腔衛生状態評価結果の乖離要因の検討
○末永 智美1、飯田 貴俊1,2、吉野 夕香3、金本 路1、植木 沢美1、川上 智史4、山田 律子5、會田 英紀6 (1. 北海道医療大学在宅歯科診療所、2. 北海道医療大学歯学部 摂食機能療法・加齢歯科学分野、3. 北海道医療大学病院 医療相談・地域連携室、4. 北海道医療大学、5. 北海道医療大学看護福祉学部 地域保健看護学講座、6. 北海道医療大学歯学部 クラウンブリッジ・インプラント補綴学分野)
【目的】
2024年4月,オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメントが公表され,歯科領域における適切な口腔機能評価の重要性がさらに高まっている。我々は歯科訪問診療において口腔機能精密検査を導入し機能訓練を実施しているが,検査結果と臨床所見が乖離する症例が散見された。そこで本研究では,要支援・要介護高齢者を対象に口腔機能精密検査を実施し,視診による評価結果との乖離要因を検証することを目的とした。
【方法】
2025年2~3月,北海道内の介護保険施設に通所する65歳以上の高齢者のうち,同意が得られた15名(通所リハビリ10名,通所介護5名)を対象とした。調査項目は,属性,Clinical Dementia Rating(CDR),栄養状態,Barthel Index(BI),日本歯科医学会「口腔の健康状態の確認」(歯科衛生士1名,施設職員2名で評価),口腔機能精密検査7項目(歯科医師,歯科衛生士各1名で評価)とした。統計解析にはSPSS® Ver.25.0を用い,有意水準は5%未満とした。
【結果と考察】
対象者の平均年齢±SDは81.3±7.9歳,女性は53.3%であった。CDRは0~1であり検査による指示理解は可能であった。BIの平均値±SDは88.0±11.0点,栄養状態の評価としてMNA-SFではAt riskが46.7%であった。口腔機能精密検査では,口腔乾燥,咬合力低下,舌口唇運動機能低下の該当者が多く,咀嚼機能および嚥下機能は良好な者が多かった。「口腔の健康状態の確認」では,「舌の汚れ」において施設職員と歯科衛生士の評価に大きな乖離が認められた。汚れの付着範囲や厚み等の評価基準の明確化と歯科専門職による指導の必要性が示唆された。また,TCIで「低下」と判定された者は26.7%であった一方,口腔細菌定量検査ではレベル5以上が93.3%を占め,口腔不潔の評価結果にも乖離がみられた。その要因として口腔乾燥の有無が影響すると考えたが,その連関はTCI(p=.538),口腔細菌定量検査(p=.400)であり,今回の分析結果では有意な結果は得られなかった。今後は対象者数を増やし口腔機能評価の信頼性向上に向け,視診との評価乖離の要因についてさらなる検討が必要である。(COI開示なし,北海道医療大学予防医療科学センター倫理委員会承認番号:第2024_020号)
2024年4月,オーラルフレイルに関する3学会合同ステートメントが公表され,歯科領域における適切な口腔機能評価の重要性がさらに高まっている。我々は歯科訪問診療において口腔機能精密検査を導入し機能訓練を実施しているが,検査結果と臨床所見が乖離する症例が散見された。そこで本研究では,要支援・要介護高齢者を対象に口腔機能精密検査を実施し,視診による評価結果との乖離要因を検証することを目的とした。
【方法】
2025年2~3月,北海道内の介護保険施設に通所する65歳以上の高齢者のうち,同意が得られた15名(通所リハビリ10名,通所介護5名)を対象とした。調査項目は,属性,Clinical Dementia Rating(CDR),栄養状態,Barthel Index(BI),日本歯科医学会「口腔の健康状態の確認」(歯科衛生士1名,施設職員2名で評価),口腔機能精密検査7項目(歯科医師,歯科衛生士各1名で評価)とした。統計解析にはSPSS® Ver.25.0を用い,有意水準は5%未満とした。
【結果と考察】
対象者の平均年齢±SDは81.3±7.9歳,女性は53.3%であった。CDRは0~1であり検査による指示理解は可能であった。BIの平均値±SDは88.0±11.0点,栄養状態の評価としてMNA-SFではAt riskが46.7%であった。口腔機能精密検査では,口腔乾燥,咬合力低下,舌口唇運動機能低下の該当者が多く,咀嚼機能および嚥下機能は良好な者が多かった。「口腔の健康状態の確認」では,「舌の汚れ」において施設職員と歯科衛生士の評価に大きな乖離が認められた。汚れの付着範囲や厚み等の評価基準の明確化と歯科専門職による指導の必要性が示唆された。また,TCIで「低下」と判定された者は26.7%であった一方,口腔細菌定量検査ではレベル5以上が93.3%を占め,口腔不潔の評価結果にも乖離がみられた。その要因として口腔乾燥の有無が影響すると考えたが,その連関はTCI(p=.538),口腔細菌定量検査(p=.400)であり,今回の分析結果では有意な結果は得られなかった。今後は対象者数を増やし口腔機能評価の信頼性向上に向け,視診との評価乖離の要因についてさらなる検討が必要である。(COI開示なし,北海道医療大学予防医療科学センター倫理委員会承認番号:第2024_020号)
