講演情報

[P-006]口腔・栄養・運動の複合的な介護予防事業が住民に与える影響 食品摂取多様性スコアと機能低下の自覚について

大河 貴久1,2、○岡本 美子1,3 (1. 大河歯科医院、2. 京都市北歯科医師会、3. 京都府歯科衛生士会北支部)
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【目的】
 京都市では2024年4月から複合型の介護予防教室開催が介護予防推進センターに求められ,口腔・栄養・運動の何れかの組み合わせによる複合型プログラムが提供されている。本研究では,地域高齢者の食事の摂取状況,運動機能および口腔機能等への複合プログラム実施の影響について調査したので報告する。
【方法】
 被験者は,計測会場まで独歩で来場可能な65歳以上の地域住民38名(プログラム参加者23名,非参加者15名)とした。調査項目は,身長・体重,歯式,歩行速度,指輪っかテスト,咀嚼筋触診,口腔湿潤度,TCI,オーラルディアドコキネシス,舌圧,食品摂取多様性スコア,12項目の日常生活習慣等の質問紙票(2項目選択式回答および自由記載)とした。今回は食品摂取多様性スコアおよび質問紙票の回答について,介護予防事業参加の有無の2群に分けて調査を行った。統計学的解析は,カイ2乗検定およびt検定を行った。有意水準は5%に設定した。
【結果と考察】
 食品摂取多様性スコアおよび質問紙票のうち,「フレイルという言葉の意味をしっていますか?」,「普段の会話で言葉をはっきりと発音できないことがありますか?」で統計学的有意差が認められた。他項目では統計学的有意差は認められなかった。「フレイルという言葉の意味を知っていますか?」では,複合プログラム参加者の方が知っている者が有意に多かった。「普段の会話で言葉をはっきりと発音できないことがありますか?」では,複合プログラム参加者の方が発音できないと自覚している者が有意に多かった。オーラルディアドコキネシスの結果では,パタカのそれぞれの音で,プログラム参加者では17.3%,21.7%,43.4%,プログラム非参加者では33.3%,40.0%,67.7%が基準値を下回っていた。今回の結果から,舌口唇運動の巧緻性,つまり滑舌は,自覚は無いまま低下しているということが明らかとなった。口腔機能は自覚なく低下すると言われている。オーラルフレイルという言葉について介護予防に意識的に参加していない地域住民に対しては啓発が不十分であることが推察された。今後,複合プログラムへの参加が,口腔機能,運動機能に与える影響についても含め調査していく。
(COI開示:なし)(京都市上京歯科医師会倫理委員会:承認番号R8001)