講演情報

[P-008]地域在住高齢者における口腔機能向上への意識と実践の変容 ―能勢健康長寿研究3年間の継続調査から―

○小澤 純子1、高阪 貴之2、福岡 智子3、吉本 美枝4、上田 和美5、権田 知也2、池邉 一典2 (1. 大手前短期大学、2. 大阪大学大学院歯学研究科 有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座、3. 大阪府豊能郡能勢町 福祉部健康づくり課、4. 京都府歯科衛生士会、5. はぐくむ歯科クリニック)
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【目的】大阪府豊能郡能勢町では,2020年度より大阪大学と連携し,家庭血圧測定による認知症・脳卒中予防を目的とした研究事業「能勢健康長寿研究(のせけん)」を実施してきた。2022年度からは歯学研究科が参画し,オーラルフレイル対策を強化する取り組みが開始された。本報告では,「のせけん」において,歯科衛生士が3年間にわたり継続して実施した調査(全3回)の結果を分析した。今後,2025年度で終了した本研究事業から,町が主体となり実施する保健事業「のせ健サポート」に移行するにあたり,地域高齢者へより効果的にアプローチする方法を検討することを目的とした。【方法】本研究は,「のせけん」において,2023年2月から2025年8月にかけて全3回の調査に参加した能勢町在住高齢者116名(男性33名,女性83名,ベースライン調査時の平均年齢75.7歳)を対象とした。研究参加者に対し,自宅での口腔機能訓練の有無および,実施頻度,未実施者には実施しない理由について,質問票により調査した。【結果と考察】本研究では,口腔機能訓練の実施状況および行動変化を縦断的に把握した。その結果,3回の調査すべてで「自宅での口腔機能訓練を実施している」と回答した『継続実施者』は43.2%であり,そのうち約4割が「毎日実施している」と回答した。一方,3回の調査すべてで「未実施」と回答した『無関心層』は16.2%,実施から未実施へ移行した『負の行動変化層』は18.0%であった。負の行動変化層の内訳は,第2回調査で「未実施」に転じた者が30%,第3回調査では35%,さらに実施と未実施を繰り返す行動不安定群が35%を占めた。未実施の理由としては「忘れてしまう」が最も多く,次いで「時間がない」「口の機能に問題がないと思う」が挙げられた。他方,未実施から実施へ移行した『正の行動変化層』は22.5%であった。以上の結果より,継続実施者が 4 割を超えて存在することから,高齢者における口腔機能訓練の習慣化は可能であると考えられる。一方で,無関心層および負の行動変化層が合わせて 3 割を超えており,行動維持を阻害する要因への対応や動機づけおよび継続支援の強化が今後の課題であることが示唆された。COI開示:なし、大阪大学大学院歯学研究科・歯学部および歯学部附属病院倫理審査委員会承認番号:R4-E7