講演情報

[P-009]高齢者に対する口腔衛生状態の評価に関連する因子の検討(第 3 報)

○成田 幸平1、煙山 修平1、合羅 佳奈子1、藤丸 果乃1、會田 英紀2、金本 路3、植木 沢美3、末永 智美3、吉野 夕香4、飯田 貴俊1 (1. 北海道医療大学歯学部 摂食機能療法・加齢歯科学分野、2. 北海道医療大学歯学部 クラウンブリッジ・インプラント補綴学分野、3. 北海道医療大学在宅歯科診療所、4. 北海道医療大学病院 医療相談・地域連携室)
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【目的】
 超高齢社会である現在の日本において,高齢者に対する口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防や口腔関連QOLの向上は広く認知されている事項である。
 前回大会にて,簡易的な口腔衛生状態の評価に用いる舌苔スコア(TCI:Tongue Coating Index)
と舌背上の口腔内細菌数(OBC: Oral Bacterial Count)の相関がみられるものの,一部で乖離がみられ、口腔乾燥や認知機能の低下が影響を与えている可能性があることを報告した。今回はTCIとOBC測定部位を増やすことと、補綴物の利用状況等を調査し,より明確に乖離に影響を与える因子を特定することを目的とした。

【方法】
 施設高齢者 25 名(平均年齢 87±6.43 歳:男女比 7/18 名)を対象とした。TCIの記録後に,口腔内細菌数の測定を舌背中央と舌背辺縁部の2箇所にて口腔内細菌カウンタを用いて行い口腔機能低下症(口腔衛生状態不良)の基準に従って判定した。TCIとOBC(舌背中央・舌背辺縁)との関連や補綴物の利用状況等の因子との関連を検討した。

【結果と考察】
 TCIでは 25 名中 15 名が陽性であり,舌背中央におけるOBCの数値は 25 名中 20 名が基準値を上回り口腔衛生状態不良と判定された。その20 名中 7 名はTCIでは陰性であったにもかかわらずOBCにおいて基準値を上回っていたが,口腔内の残存歯数などにおいて統計学的な有意差は見られなかった。
 舌背中央と辺縁でのOBCの数値を比較すると,25 名中 8 名が中央よりも辺縁のほうが高値であった。その8 名のうち,4 名が食事の際に上顎総義歯を装着していた。OBCの数値が中央よりも辺縁の方が高値であることと、上顎総義歯の装着には有意に関連がみられた。このことから,上顎総義歯を装着していると舌背辺縁のOBCが大きくなる可能性が示された。また,舌背中央の部分TCIと中央でのOBCには弱い相関がみられたが、舌背辺縁部の部分TCIと辺縁でのOBCには相関がなかった。以上から、総義歯装着者の舌背辺縁部の細菌数がTCIとOBCの乖離に対して何かしらの影響を与えている可能性が示唆された。




(COI 開示:なし)
(北海道医療大学予防医療科学センター 倫理委員会 倫理審査承認番号第 2025_016 号)