講演情報
[P-021]在宅での歯科訪問診療患者における口腔機能および栄養状態の実態調査
○藤 亘太郎1、正國 光一1、砂坂 ちさと1、迫田 敏1、松尾 浩一郎2 (1. 医療法人篤志会さこだ歯科、2. 東京科学大学大学院 地域・福祉口腔機能管理学分野)
【目的】
在宅療養者は低栄養を呈することが多いが,歯科訪問診療において十分に把握されていないのが現状である。本研究では,歯科訪問診療患者における口腔機能と栄養状態の経時的変化を検証した。
【方法】
2024年7月から2025年11月までに当院訪問歯科を受診した在宅患者70名を対象とした。栄養状態はMNA-SFを用い,3か月ごとに評価し,後ろ向きに解析した。口腔機能検査は3か月ごとに実施し,咀嚼機能検査を除く6項目を評価した。初回の口腔機能検査結果において,3項目以上該当したものを口腔機能低下症(OHF)群とし,2項目以下のものを健常(no-OHF)群に分類した。栄養状態と口腔機能低下との関連性を検討するため,初診時および2025年11月時点の栄養状態をOHF群とno-OHF群との間で比較検討した。
【結果と考察】
初診時,対象者の53名(75.7%)が口腔機能低下症に該当していた。初回のMNA-SF値は,OHF群で9.1±2.8,no-OHF群では,9.4±2.7であった。低栄養者は,OHF群で15名(28.3%),no-OHF群では5名(29.4%)であった。2025年11月での評価では,初回評価から平均184±158日経過していた。MNA-SF値は,OHF群で9.2±2.7,no-OHF群では,10.4±2.4であり,低栄養者の割合は,OHF群で11名(20.7%),no-OHF群で3名(17.6%)と初回と比べ,両群ともに改善傾向にあった。また,OHF該当者は,59名であり,初回と比較して増加した。
以上の結果から,在宅歯科訪問診療患者において,口腔機能低下が高頻度に認められた。また,栄養状態は,統計学的な比較は行っていないものの,no-OHF群の方が改善傾向が強くあったことから,口腔機能と栄養摂取状況に関連性があることが示唆された。特に,在宅療養者では多様な要因が栄養状態に影響するため,口腔機能低下があると,長期的には影響が顕在化する可能性が示唆された。以上より,在宅歯科訪問診療においては,口腔機能管理において,定期的な栄養スクリーニングを併用し,他職種と連携した口腔・栄養の複合的な介入が必要であることが示唆された。
(COI 開示:なし)
(日本障害者歯科学会倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号第25008号))
在宅療養者は低栄養を呈することが多いが,歯科訪問診療において十分に把握されていないのが現状である。本研究では,歯科訪問診療患者における口腔機能と栄養状態の経時的変化を検証した。
【方法】
2024年7月から2025年11月までに当院訪問歯科を受診した在宅患者70名を対象とした。栄養状態はMNA-SFを用い,3か月ごとに評価し,後ろ向きに解析した。口腔機能検査は3か月ごとに実施し,咀嚼機能検査を除く6項目を評価した。初回の口腔機能検査結果において,3項目以上該当したものを口腔機能低下症(OHF)群とし,2項目以下のものを健常(no-OHF)群に分類した。栄養状態と口腔機能低下との関連性を検討するため,初診時および2025年11月時点の栄養状態をOHF群とno-OHF群との間で比較検討した。
【結果と考察】
初診時,対象者の53名(75.7%)が口腔機能低下症に該当していた。初回のMNA-SF値は,OHF群で9.1±2.8,no-OHF群では,9.4±2.7であった。低栄養者は,OHF群で15名(28.3%),no-OHF群では5名(29.4%)であった。2025年11月での評価では,初回評価から平均184±158日経過していた。MNA-SF値は,OHF群で9.2±2.7,no-OHF群では,10.4±2.4であり,低栄養者の割合は,OHF群で11名(20.7%),no-OHF群で3名(17.6%)と初回と比べ,両群ともに改善傾向にあった。また,OHF該当者は,59名であり,初回と比較して増加した。
以上の結果から,在宅歯科訪問診療患者において,口腔機能低下が高頻度に認められた。また,栄養状態は,統計学的な比較は行っていないものの,no-OHF群の方が改善傾向が強くあったことから,口腔機能と栄養摂取状況に関連性があることが示唆された。特に,在宅療養者では多様な要因が栄養状態に影響するため,口腔機能低下があると,長期的には影響が顕在化する可能性が示唆された。以上より,在宅歯科訪問診療においては,口腔機能管理において,定期的な栄養スクリーニングを併用し,他職種と連携した口腔・栄養の複合的な介入が必要であることが示唆された。
(COI 開示:なし)
(日本障害者歯科学会倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号第25008号))
