講演情報
[P-023]咬筋厚と口腔機能およびサルコペニア診断基準との関連
○近藤 遥香1、荻野 洋一郎1、熱田 生1 (1. 九州大学大学院歯学府口腔機能修復学講座クラウンブリッジ補綴学分野)
【目的】
サルコペニアやフレイルは高齢者の身体機能の低下と関連し,口腔領域においても,オーラルフレイルや口腔機能低下症などが提唱されている。本研究では,オーラルサルコペニアの定義を目指し,その対象として咬筋厚(MMT)に注目した。MMTと最大咬合力(MOF),咀嚼機能(MF)との関連やサルコペニアの診断基準との関連を示すことで,オーラルサルコペニアの概念的枠組みの提示を目的とした。
【方法】
対象は,九州大学病院補綴科で補綴治療終了後のメインテナンスを目的に受診している患者のうち同意が得られた50歳以上の255名(男性90名,女性165名)とした。カルテより患者プロファイル(年齢,性別,歯式)を抽出し,Skeletal Muscle Mass Index(SMI),握力,5回立ち上がり時間(5CST) ,MOF,MFを測定した。また,左右のMMT平均値(安静時:MMT-rest,最大咬合時:MMT-clench)を超音波画像診断装置で測定,算出し,安静時に対する咬合時のMMTの変化率(%MMT)も算出した。解析は,研究対象者をMOFの口腔機能低下症に基づく閾値で2群に分け,各測定値を比較した(Wilcoxonの順位和検定)。さらにMOFとMFの基準値で,健常群(G0) ,どちらか一方の低下群(G1) ,両方低下群(G2)の3群でも比較した(Kruskal-Wallis検定+Steel-Dwass検定)。
【結果と考察】
MOFの2群比較では,全対象者と男性群,女性群それぞれで,MMT-rest,MMT-clenchは500N以上群で有意に高い値を示したが%MMTには差がなかった。また全体ではSMIと握力も500N以上群で有意に高い値を示した。よってMOF低下は%MMTではなくMMTそのものの減少が大きく関わっており,加えて全身状態との関連も示唆された。またMOF・MFに基づく3群比較では,すべての群間においてMMTが有意に減少したことから,筋力・機能低下と筋量低下は連動して進行する病態である可能性を示している。これは全身の筋量・筋力・機能低下を診断基準とするサルコペニアと類似しており,口腔領域においてもオーラルサルコペニアとしての概念的妥当性が示唆された。(九州大学医系地区部局病院倫理審査委員会 承認番号23500-01) (COI 開示:なし)
サルコペニアやフレイルは高齢者の身体機能の低下と関連し,口腔領域においても,オーラルフレイルや口腔機能低下症などが提唱されている。本研究では,オーラルサルコペニアの定義を目指し,その対象として咬筋厚(MMT)に注目した。MMTと最大咬合力(MOF),咀嚼機能(MF)との関連やサルコペニアの診断基準との関連を示すことで,オーラルサルコペニアの概念的枠組みの提示を目的とした。
【方法】
対象は,九州大学病院補綴科で補綴治療終了後のメインテナンスを目的に受診している患者のうち同意が得られた50歳以上の255名(男性90名,女性165名)とした。カルテより患者プロファイル(年齢,性別,歯式)を抽出し,Skeletal Muscle Mass Index(SMI),握力,5回立ち上がり時間(5CST) ,MOF,MFを測定した。また,左右のMMT平均値(安静時:MMT-rest,最大咬合時:MMT-clench)を超音波画像診断装置で測定,算出し,安静時に対する咬合時のMMTの変化率(%MMT)も算出した。解析は,研究対象者をMOFの口腔機能低下症に基づく閾値で2群に分け,各測定値を比較した(Wilcoxonの順位和検定)。さらにMOFとMFの基準値で,健常群(G0) ,どちらか一方の低下群(G1) ,両方低下群(G2)の3群でも比較した(Kruskal-Wallis検定+Steel-Dwass検定)。
【結果と考察】
MOFの2群比較では,全対象者と男性群,女性群それぞれで,MMT-rest,MMT-clenchは500N以上群で有意に高い値を示したが%MMTには差がなかった。また全体ではSMIと握力も500N以上群で有意に高い値を示した。よってMOF低下は%MMTではなくMMTそのものの減少が大きく関わっており,加えて全身状態との関連も示唆された。またMOF・MFに基づく3群比較では,すべての群間においてMMTが有意に減少したことから,筋力・機能低下と筋量低下は連動して進行する病態である可能性を示している。これは全身の筋量・筋力・機能低下を診断基準とするサルコペニアと類似しており,口腔領域においてもオーラルサルコペニアとしての概念的妥当性が示唆された。(九州大学医系地区部局病院倫理審査委員会 承認番号23500-01) (COI 開示:なし)
