講演情報
[P-029]健常者における口腔機能の実態把握ー咀嚼能率と舌圧、咬合力、咬合支持域との関連性解析ー
○岩本 拓1、松村 信1、木村 茉実1、中辻 幸奈1、林 滉一朗1、野村 充1、内山 千代子1、牧 利一1 (1. ライオン株式会社 研究技術センター ライフサイエンス研究所)
【目的】
口腔機能低下は、加齢等により咀嚼、嚥下等の口腔の機能が低下する症状を指すが、放置すると咀嚼障害、摂食嚥下障害などの重篤な機能障害を引き起こすことが知られている。すなわち口腔機能低下の早期発見と早期対策が重要となるが、健常者における口腔機能低下の実態や要因を探索した知見は限られている。そこで本研究では、幅広い年代の健常者を対象に、口腔の器質及び機能に関する評価を行い、相互の関連性を年代別に検証した。
【方法】
残存歯数が20本以上、アイヒナー分類がA1、A2、A3、B1、B2のいずれかに該当する、25~74歳の健常成人78名(男性40名、女性38名、平均年齢49.7±14.3歳)を対象に、口腔機能の検査(咀嚼能率、RSST、舌圧、咬合力、オーラルディアドコキネシス)、口腔内の検査(残存歯数、う蝕経験歯数、アイヒナー分類、機能歯ユニット)を行った。その後、全被験者及び口腔機能低下症の診断対象である50歳以上群と49歳以下群に層別し、各項目間の相関解析を行うとともに、咀嚼能率、RSSTを目的変数とした重回帰分析を実施した。
【結果と考察】
口腔機能の各検査結果の相関解析を実施した結果、咀嚼能率は咬合力との間に正の相関を示し、50歳以上の被験者群では咬合力に加え、舌圧との間にも正の相関を示した。また、49歳以下の被験者群ではオーラルディアドコキネシスの/Pa/、/ta/、/ka/の回数がRSSTとの間に正の相関を示した。咀嚼能率を目的変数とし、舌圧、咬合力、オーラルディアドコキネシス、口腔内の検査結果、性別を説明変数とした重回帰分析を行った結果、49歳以下の被験者群ではアイヒナー分類や機能歯ユニットが咀嚼能率と有意な関連を示したのに対し、50歳以上の被験者群では舌圧、咬合力が咀嚼能率と有意な関連を示した。同様にRSSTを目的変数とした解析においては、49歳以下の被験者群でのみ、オーラルディアドコキネシスの/ta/、/ka/の回数がRSSTと有意な関連を示した。以上の結果より、今回の被験者集団において、49歳以下では咬合支持域の減少が咀嚼機能低下に、舌口唇運動機能の低下が嚥下機能低下に寄与し、50歳以上においては舌圧と咬合力の低下が咀嚼機能低下に寄与する可能性が考えられた。
COI開示:ライオン株式会社
ライオン株式会社 倫理審査委員会承認番号395、397
口腔機能低下は、加齢等により咀嚼、嚥下等の口腔の機能が低下する症状を指すが、放置すると咀嚼障害、摂食嚥下障害などの重篤な機能障害を引き起こすことが知られている。すなわち口腔機能低下の早期発見と早期対策が重要となるが、健常者における口腔機能低下の実態や要因を探索した知見は限られている。そこで本研究では、幅広い年代の健常者を対象に、口腔の器質及び機能に関する評価を行い、相互の関連性を年代別に検証した。
【方法】
残存歯数が20本以上、アイヒナー分類がA1、A2、A3、B1、B2のいずれかに該当する、25~74歳の健常成人78名(男性40名、女性38名、平均年齢49.7±14.3歳)を対象に、口腔機能の検査(咀嚼能率、RSST、舌圧、咬合力、オーラルディアドコキネシス)、口腔内の検査(残存歯数、う蝕経験歯数、アイヒナー分類、機能歯ユニット)を行った。その後、全被験者及び口腔機能低下症の診断対象である50歳以上群と49歳以下群に層別し、各項目間の相関解析を行うとともに、咀嚼能率、RSSTを目的変数とした重回帰分析を実施した。
【結果と考察】
口腔機能の各検査結果の相関解析を実施した結果、咀嚼能率は咬合力との間に正の相関を示し、50歳以上の被験者群では咬合力に加え、舌圧との間にも正の相関を示した。また、49歳以下の被験者群ではオーラルディアドコキネシスの/Pa/、/ta/、/ka/の回数がRSSTとの間に正の相関を示した。咀嚼能率を目的変数とし、舌圧、咬合力、オーラルディアドコキネシス、口腔内の検査結果、性別を説明変数とした重回帰分析を行った結果、49歳以下の被験者群ではアイヒナー分類や機能歯ユニットが咀嚼能率と有意な関連を示したのに対し、50歳以上の被験者群では舌圧、咬合力が咀嚼能率と有意な関連を示した。同様にRSSTを目的変数とした解析においては、49歳以下の被験者群でのみ、オーラルディアドコキネシスの/ta/、/ka/の回数がRSSTと有意な関連を示した。以上の結果より、今回の被験者集団において、49歳以下では咬合支持域の減少が咀嚼機能低下に、舌口唇運動機能の低下が嚥下機能低下に寄与し、50歳以上においては舌圧と咬合力の低下が咀嚼機能低下に寄与する可能性が考えられた。
COI開示:ライオン株式会社
ライオン株式会社 倫理審査委員会承認番号395、397
