講演情報
[P-031]オーラルディアドコキネシスの発音特性と舌骨上筋群の筋活動の関連性
○留岡 諭志1、安藤 万乃1、青山 薫英1、南 翔太2、内山 千代子1、牧 利一1 (1. ライオン株式会社 研究技術センター ライフサイエンス研究所、2. ライオン株式会社 デジタル戦略部)
【目的】
オーラルディアドコキネシス(ODK)は口腔機能低下症の検査項目として発音回数で評価されるが,発音明瞭度の評価は行われていない。我々は音声解析により発音明瞭度を定量化する技術を開発し,口腔機能との関連を報告してきた。本研究では,ODKにおける発音明瞭度と舌骨上筋群の筋活動の関連性を明らかにし,開発した発音明瞭度指標の有用性を検討することを目的とした。
【方法】
2024 年 6 月~8 月に,25~74 歳の健常成人 78 名(男性 40 名,女性 38 名,平均年齢 49.7±14.3 歳)を対象とし,/pa/,/ta/,/ka/を各5秒間発音させた音声データと,発音時とその他の口腔運動時(舌圧発揮,開口,口角挙上)の舌骨上筋群の筋活動データを取得した。音声データについて,当社で開発したアルゴリズムを用いて,/pa/,/ta/,/ka/の発音回数及び明瞭度を算出し,舌骨上筋群の筋活動指標との関連を解析した。また,/pa/,/ta/,/ka/それぞれの発音明瞭度とその他口腔運動時の筋活動の関連を解析した。統計解析には,相関解析および重回帰分析を用いた。
【結果と考察】
相関解析の結果,/pa/,/ta/,/ka/発音時の明瞭度は,それぞれの発音時の筋活動指標と有意な正の相関を示した。また各発音の明瞭度を目的変数とし,年齢,性別,発音時の筋活動を説明変数とした重回帰分析を実施した結果においても,両者は有意な関連を示した。一方,従来のODK評価指標である発音回数と発音時の筋活動との間には有意な関連は認められなかった。このことから,発音明瞭度は発音回数よりも口腔周囲の筋活動を反映する指標である可能性が示唆された。さらに,発音明瞭度がどのような口腔運動を反映する可能性があるかを検討するため,各発音の明瞭度と口腔運動時(舌圧発揮,開口,口角挙上)の筋活動との関連について重回帰分析を実施した。その結果,/ta/および/ka/の発音明瞭度は舌圧発揮時の筋活動と有意に関連したのに対し,/pa/の発音明瞭度は,舌圧発揮時に加え,口角挙上時の筋活動とも有意に関連した。これらの結果から,発音明瞭度は各発音課題に応じて異なる口腔の動きを反映する指標である可能性が示唆された。
(COI 開示:ライオン株式会社)
(ライオン株式会社倫理審査委員会 臨床審査 No.395,No.398)
オーラルディアドコキネシス(ODK)は口腔機能低下症の検査項目として発音回数で評価されるが,発音明瞭度の評価は行われていない。我々は音声解析により発音明瞭度を定量化する技術を開発し,口腔機能との関連を報告してきた。本研究では,ODKにおける発音明瞭度と舌骨上筋群の筋活動の関連性を明らかにし,開発した発音明瞭度指標の有用性を検討することを目的とした。
【方法】
2024 年 6 月~8 月に,25~74 歳の健常成人 78 名(男性 40 名,女性 38 名,平均年齢 49.7±14.3 歳)を対象とし,/pa/,/ta/,/ka/を各5秒間発音させた音声データと,発音時とその他の口腔運動時(舌圧発揮,開口,口角挙上)の舌骨上筋群の筋活動データを取得した。音声データについて,当社で開発したアルゴリズムを用いて,/pa/,/ta/,/ka/の発音回数及び明瞭度を算出し,舌骨上筋群の筋活動指標との関連を解析した。また,/pa/,/ta/,/ka/それぞれの発音明瞭度とその他口腔運動時の筋活動の関連を解析した。統計解析には,相関解析および重回帰分析を用いた。
【結果と考察】
相関解析の結果,/pa/,/ta/,/ka/発音時の明瞭度は,それぞれの発音時の筋活動指標と有意な正の相関を示した。また各発音の明瞭度を目的変数とし,年齢,性別,発音時の筋活動を説明変数とした重回帰分析を実施した結果においても,両者は有意な関連を示した。一方,従来のODK評価指標である発音回数と発音時の筋活動との間には有意な関連は認められなかった。このことから,発音明瞭度は発音回数よりも口腔周囲の筋活動を反映する指標である可能性が示唆された。さらに,発音明瞭度がどのような口腔運動を反映する可能性があるかを検討するため,各発音の明瞭度と口腔運動時(舌圧発揮,開口,口角挙上)の筋活動との関連について重回帰分析を実施した。その結果,/ta/および/ka/の発音明瞭度は舌圧発揮時の筋活動と有意に関連したのに対し,/pa/の発音明瞭度は,舌圧発揮時に加え,口角挙上時の筋活動とも有意に関連した。これらの結果から,発音明瞭度は各発音課題に応じて異なる口腔の動きを反映する指標である可能性が示唆された。
(COI 開示:ライオン株式会社)
(ライオン株式会社倫理審査委員会 臨床審査 No.395,No.398)
