講演情報
[P-035]地域在住高齢者における口腔機能低下症と洗口剤の使用頻度の関連:東浦研究
○釘宮 嘉浩1、村上 正治1、安田 琢和2、浅野 年紀2、横山 惟子1、市川 陽介1、中村 純也1 (1. 国立長寿医療研究センター歯科口腔外科部、2. ユーハ味覚糖株式会社バイオ開発セクションバイオ技術開発デパートメント)
【目的】
高齢期における口腔機能低下の予防や改善には,歯科専門職による口腔健康管理だけでなく,口腔のセルフケアも重要である。高齢者が日常的に行う口腔のセルフケア行動は多様であるが,なかでも洗口剤は補助的ケア用品として広く普及している。洗口剤は口腔衛生状態の改善を目的として使用されることが多く,口臭や口腔乾燥感,口腔機能低下を自覚した者ほど使用頻度が高い可能性があるが,実際の口腔機能と洗口剤の使用頻度との関連については十分に検討されていない。本研究は,地域在住高齢者における口腔機能低下症と洗口剤の使用頻度との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
本研究の対象は2024年度の来場型健診に参加した地域在住高齢者とした。解析対象は多変量解析の目的変数と説明変数に欠損値のない者とした。洗口剤の使用頻度(使用なしから1日2回以上までの7段階)と口腔機能低下症の該当率の傾向を検討するためCochran-Armitage検定を実施した。また,両者の関連を明らかにするため,週1回以上の洗口剤使用の有無を目的変数,口腔機能低下症の有無を説明変数,年齢,性別,Body Mass Index,現在歯数,1日2回以上の歯磨き,年1回以上の歯科受診,認知機能,糖尿病,内服薬数,飲酒・喫煙習慣を調整したロジスティック回帰分析を実施した。有意水準はα=0.05とした。
【結果と考察】
対象者450名(女性231名,平均年齢75.0±5.6歳)のうち,口腔機能低下症の該当者は197名(43.8%)だった。また,洗口剤を週1回以上使用する者は125名(27.8%)だった。Cochran-Armitage検定の結果,洗口剤の使用頻度の増加に伴い,口腔機能低下症の該当率が有意に上昇する傾向が認められた(p=0.03)。また,ロジスティック回帰分析の結果,口腔機能低下症と洗口剤の使用の間に有意な関連が認められた(オッズ比:1.74,95%信頼区間1.09-2.78)。本研究により,口腔機能が低下している高齢者ほど,セルフケアに洗口剤を取り入れている可能性が高いことが示された。地域在住高齢者においては,口臭や口腔乾燥感,歯の動揺などの症状に応じた洗口剤の案内や指導に対する潜在的ニーズが存在する可能性がある。
(COI:開示なし)
(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 倫理・利益相反委員会承認番号1808-10)
高齢期における口腔機能低下の予防や改善には,歯科専門職による口腔健康管理だけでなく,口腔のセルフケアも重要である。高齢者が日常的に行う口腔のセルフケア行動は多様であるが,なかでも洗口剤は補助的ケア用品として広く普及している。洗口剤は口腔衛生状態の改善を目的として使用されることが多く,口臭や口腔乾燥感,口腔機能低下を自覚した者ほど使用頻度が高い可能性があるが,実際の口腔機能と洗口剤の使用頻度との関連については十分に検討されていない。本研究は,地域在住高齢者における口腔機能低下症と洗口剤の使用頻度との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
本研究の対象は2024年度の来場型健診に参加した地域在住高齢者とした。解析対象は多変量解析の目的変数と説明変数に欠損値のない者とした。洗口剤の使用頻度(使用なしから1日2回以上までの7段階)と口腔機能低下症の該当率の傾向を検討するためCochran-Armitage検定を実施した。また,両者の関連を明らかにするため,週1回以上の洗口剤使用の有無を目的変数,口腔機能低下症の有無を説明変数,年齢,性別,Body Mass Index,現在歯数,1日2回以上の歯磨き,年1回以上の歯科受診,認知機能,糖尿病,内服薬数,飲酒・喫煙習慣を調整したロジスティック回帰分析を実施した。有意水準はα=0.05とした。
【結果と考察】
対象者450名(女性231名,平均年齢75.0±5.6歳)のうち,口腔機能低下症の該当者は197名(43.8%)だった。また,洗口剤を週1回以上使用する者は125名(27.8%)だった。Cochran-Armitage検定の結果,洗口剤の使用頻度の増加に伴い,口腔機能低下症の該当率が有意に上昇する傾向が認められた(p=0.03)。また,ロジスティック回帰分析の結果,口腔機能低下症と洗口剤の使用の間に有意な関連が認められた(オッズ比:1.74,95%信頼区間1.09-2.78)。本研究により,口腔機能が低下している高齢者ほど,セルフケアに洗口剤を取り入れている可能性が高いことが示された。地域在住高齢者においては,口臭や口腔乾燥感,歯の動揺などの症状に応じた洗口剤の案内や指導に対する潜在的ニーズが存在する可能性がある。
(COI:開示なし)
(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 倫理・利益相反委員会承認番号1808-10)
