講演情報
[P-048]高齢の口腔がん患者が人生の最終段階で生じるナラティブを医科と協働検討した一症例
○吉野 夕香1、末永 智美2、金本 路2、植木 沢美2、飯田 貴俊3、川上 智史4、會田 英紀5 (1. 北海道医療大学病院医療相談・地域連携室、2. 北海道医療大学在宅歯科診療所、3. 北海道医療大学歯学部 摂食機能療法・加齢歯科学分野、4. 北海道医療大学、5. 北海道医療大学 歯学部 クラウンブリッジ・インプラント補綴学分野)
【緒言】 全国での在宅患者数は,2040年以降にピークを迎えることが見込まれており,口腔がん患者も在宅医療の対象となる可能性がある。口腔がん治療は歯科口腔外科が担うことが多いため,疾病特性から医科職種未介入の例も少なくない。当院の口腔がん患者が自宅退院を目指した際,人生の最終段階で生じたナラティブに寄り添い,医科職種と在宅医療に向けて医療ソーシャルワーカーが退院支援を行った経過を報告する。
【症例および経過】 患者A氏は70歳代女性,高齢の夫と二人暮らし。認知症度自立,寝たきり度J2。(X-4)年B医療機関で左側口蓋悪性リンパ腫術後通院を自己中断,(X-1)年咬合不全の治療希望し当院初診,右側下顎骨形成術にて解消,さらに同年上顎歯肉癌術後,X年右側頸部リンパ節転移認め化学療法を行った。治療経過から,経口摂取や口腔ケアが困難,構音障害も生じていた。同年Y月,本人,家族からポートや胃ろう造設の意向はなく,自然経過で疼痛や苦痛を取り除く医療を希望していることを確認した。経鼻栄養管理ながらADLは自立,セルフケアは支障ない状況であった。意思決定に関わる家族は,高齢の夫,知的障害の長女で,本人は未診断だが,パーソナリティの特性が強く,医療者とのコミュニケーションでは相性の善し悪しが著しく影響する状態であった。長女は就労支援でがん患者の介護経験があり,知的障害があるものの歯科医師の説明には最も理解を示したが,夫は医療への期待が過度に高く,人生の最終段階への意思形成には困難を極めた。居住地は当院から140kmの距離があり通院や面会への不安が徐々に表出され,意志表出段階では地元での療養や看取りを希望した。各々の理解力からキーパーソンが不在の状況で,同家族の生活史の聴き取りからナラティブを形成,在宅医療の導入を礎とし地元に帰って療養するとの意思決定に至った.本研究は倫理的配慮の説明を行い本人,家族に口頭で同意を得た。
【考察】人生の最終段階の意思決定においては,家族間で唯一共通認識であった「家族が一緒に過ごすこと」を最優先に,受入医療機関を検討した。口腔がん対応の条件に合う医療機関や歯科訪問診療はなく,全身的な医療を担う医科の在宅医療で受入となり希望にそえたと考える。同段階における口腔がん患者の療養体制の構築が急務であると考えられる。(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
【症例および経過】 患者A氏は70歳代女性,高齢の夫と二人暮らし。認知症度自立,寝たきり度J2。(X-4)年B医療機関で左側口蓋悪性リンパ腫術後通院を自己中断,(X-1)年咬合不全の治療希望し当院初診,右側下顎骨形成術にて解消,さらに同年上顎歯肉癌術後,X年右側頸部リンパ節転移認め化学療法を行った。治療経過から,経口摂取や口腔ケアが困難,構音障害も生じていた。同年Y月,本人,家族からポートや胃ろう造設の意向はなく,自然経過で疼痛や苦痛を取り除く医療を希望していることを確認した。経鼻栄養管理ながらADLは自立,セルフケアは支障ない状況であった。意思決定に関わる家族は,高齢の夫,知的障害の長女で,本人は未診断だが,パーソナリティの特性が強く,医療者とのコミュニケーションでは相性の善し悪しが著しく影響する状態であった。長女は就労支援でがん患者の介護経験があり,知的障害があるものの歯科医師の説明には最も理解を示したが,夫は医療への期待が過度に高く,人生の最終段階への意思形成には困難を極めた。居住地は当院から140kmの距離があり通院や面会への不安が徐々に表出され,意志表出段階では地元での療養や看取りを希望した。各々の理解力からキーパーソンが不在の状況で,同家族の生活史の聴き取りからナラティブを形成,在宅医療の導入を礎とし地元に帰って療養するとの意思決定に至った.本研究は倫理的配慮の説明を行い本人,家族に口頭で同意を得た。
【考察】人生の最終段階の意思決定においては,家族間で唯一共通認識であった「家族が一緒に過ごすこと」を最優先に,受入医療機関を検討した。口腔がん対応の条件に合う医療機関や歯科訪問診療はなく,全身的な医療を担う医科の在宅医療で受入となり希望にそえたと考える。同段階における口腔がん患者の療養体制の構築が急務であると考えられる。(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
