講演情報

[P-058]看護師の日常的口腔ケアにおける現状と学習ニーズの調査 ―経験年数による比較検討―

○澤島 果林1、中根 綾子1、佐藤 響1 (1. JCHO東京新宿メディカルセンター 歯科・歯科口腔外科)
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【目的】
 歯科衛生士による看護師への口腔ケア教育の効果報告は散見されるが,教育内容の詳細に関する報告は少ない.本調査は,現場に即した口腔ケア教育の指針を得るため,看護師の日常的口腔ケアの現状および学習ニーズを把握することを目的とした.
【方法】
 院内口腔ケア勉強会に参加した看護師74名を対象(回収率100%)に,無記名自記式アンケート調査を実施した.調査項目は看護師経験年数,実施可能な口腔ケアの時間/人,勉強会で希望する内容,勉強会の形式,口腔ケアで困っていること等とし, 経験年数(5年未満,5-10年,11年以上)別にクロス集計を行った.
【結果と考察】
 看護師経験年数は,5年未満群は49名,5年~10年群は12名,11年以上群は13名で,5年未満が全体の66%を占め最多であった.実施可能な口腔ケアの時間/人は,5年未満群で「5分未満
(49.0%)」,5-10年群で「5-10分(66.7%)」,11年以上群で「10-15分(53.8%)」と,経験年数が長いほど時間をかける傾向が認められた。勉強会で希望する内容は、口腔乾燥・口腔内出血・開口困難/拒否・認知機能低下の「困難症例4項目」が各群共に約6割を占め,経験年数による差は見られなかった.希望する勉強会の形式は,全群で「歯科衛生士による口腔ケア実践を見学」が最多であった. 看護師の経験年数にかかわらず,学習ニーズは「口腔ケアの基本的な手技」より日常の臨床で対応困難と思われる「口腔ケア困難症例への口腔ケア方法」であることがわかった.また,希望する勉強会の形式としては,座学よりも,「具体的な手技を実際に見て学ぶこと」へのニーズが高いことが明らかとなった.しかしながら,新入職が多い看護師の職種の特性を鑑みると,学習ニーズのみならず「口腔ケアの基本的な手技」についても定期的な勉強会では必要と考えられるため,内容については経験年数別やテーマ別に設定すると学習意欲が高まり,看護師の口腔ケアへの手技や知識の理解につながると考える.今後は,本調査結果を基盤として勉強会を継続的に実施し,その積み重ねが看護師の口腔ケア手技や対応力の向上につながるかについて検証していく必要がある.
 COI 開示:なし (倫理審査対象外)