講演情報
[P-061]地域在住高齢者における咬筋の筋質とサルコペニアとの関連:東浦研究
○村上 正治1、釘宮 嘉浩1、横山 惟子1、市川 陽介1、中村 純也1 (1. 国立長寿医療研究センター 歯科口腔外科部)
【目的】
高齢者の身体機能維持には,骨格筋の筋量のみならず筋質が重要であることが指摘されている。特に筋内脂肪浸潤や線維組成の変化といった筋質低下は,筋量が保たれている場合でも筋力や身体機能低下と関連することが報告されている。咬筋は咀嚼機能を担う主要な筋肉のひとつであり,その筋量とサルコペニアとの関連は報告されている一方で,筋質との関連については十分に検討されていない。そこで本研究は,地域在住高齢者を対象に,超音波測定装置を用いて輝度で評価した咬筋の筋質とサルコペニアとの関連を検討することを目的とした。
【方法】
本研究は,2024年および2025年に実施した東浦研究の会場調査に参加した地域在住高齢者538名を対象とした横断研究である。右側咬筋の超音波画像から輝度を測定し,筋質の指標とした。サルコペニアはAsian Working Group for Sarcopenia 2025の評価基準に基づいて定義した。目的変数をサルコペニアの有無,説明変数を咬筋輝度,調整変数を年齢,性別,左右臼歯部咬合支持数,Charlson Comorbidity Indexとした二項ロジスティック回帰分析を用いて関連を検討した。有意水準は5%とした。
【結果と考察】
解析データに欠損のない対象者357名(女性176名,平均年齢75.6±5.5歳)のうち,22名(6.6%)がサルコペニアに該当した。咬筋輝度の中央値は71.7(四分位範囲:60.4–83.8)であった。二項ロジスティック回帰分析の結果,咬筋輝度の上昇はサルコペニアの有無と有意に関連を示した(オッズ比 1.03,95%信頼区間:1.00–1.06)。これらの結果は,咬筋の筋質低下がサルコペニアと関連する可能性が示され,口腔機能とサルコペニアとの関連を理解する上で重要な知見と考えられる。ただし,本研究は横断的研究であるため,今後は大規模かつ縦断的研究により因果関係や臨床的意義を検証する必要がある。
(COI:開示なし)
(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 倫理・利益相反委員会承認番号1808-10)
高齢者の身体機能維持には,骨格筋の筋量のみならず筋質が重要であることが指摘されている。特に筋内脂肪浸潤や線維組成の変化といった筋質低下は,筋量が保たれている場合でも筋力や身体機能低下と関連することが報告されている。咬筋は咀嚼機能を担う主要な筋肉のひとつであり,その筋量とサルコペニアとの関連は報告されている一方で,筋質との関連については十分に検討されていない。そこで本研究は,地域在住高齢者を対象に,超音波測定装置を用いて輝度で評価した咬筋の筋質とサルコペニアとの関連を検討することを目的とした。
【方法】
本研究は,2024年および2025年に実施した東浦研究の会場調査に参加した地域在住高齢者538名を対象とした横断研究である。右側咬筋の超音波画像から輝度を測定し,筋質の指標とした。サルコペニアはAsian Working Group for Sarcopenia 2025の評価基準に基づいて定義した。目的変数をサルコペニアの有無,説明変数を咬筋輝度,調整変数を年齢,性別,左右臼歯部咬合支持数,Charlson Comorbidity Indexとした二項ロジスティック回帰分析を用いて関連を検討した。有意水準は5%とした。
【結果と考察】
解析データに欠損のない対象者357名(女性176名,平均年齢75.6±5.5歳)のうち,22名(6.6%)がサルコペニアに該当した。咬筋輝度の中央値は71.7(四分位範囲:60.4–83.8)であった。二項ロジスティック回帰分析の結果,咬筋輝度の上昇はサルコペニアの有無と有意に関連を示した(オッズ比 1.03,95%信頼区間:1.00–1.06)。これらの結果は,咬筋の筋質低下がサルコペニアと関連する可能性が示され,口腔機能とサルコペニアとの関連を理解する上で重要な知見と考えられる。ただし,本研究は横断的研究であるため,今後は大規模かつ縦断的研究により因果関係や臨床的意義を検証する必要がある。
(COI:開示なし)
(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 倫理・利益相反委員会承認番号1808-10)
