講演情報

[P-062]高齢者サロンに参加した地域在住高齢者における主観的な口腔健康感の評価と口腔機能の実態調査

○宇佐美 博志1、服部 文香1、中川 靖子2、服部 千景3、竹内 一夫1、木本 統1 (1. 愛知学院大学歯学部高齢者・在宅歯科医療学講座、2. 愛知学院大学歯学部附属病院、3. 愛知県)
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【目的】
 高齢者サロンに参加する地域在住高齢者を対象に,主観的な口腔健康感の評価および口腔機能の状態を把握し,より効果的な地域歯科保健活動への示唆を得ることを目的とした。
【方法】
 対象は地域の高齢者サロンが主催するお口の健康講座の参加者とした。健康講座は講話を主体とした講座でその初回に口腔機能検査を実施した。参加者はホームページおよび健康講座で配布した予告チラシにより募集し抽選で選択された。調査期間は2024年6月~2025年11月である。調査人数は同意を得た64名であった。調査項目はグルコース溶出量による咀嚼能力,舌圧測定器を用いた最大随意舌圧および主観的な口腔健康感の評価として10段階のフェイススケールによる調査とした。対象者の年齢は66歳から92歳である。対象者を前期高齢者群の16名と後期高齢者群の47名の2群に分け,調査項目の2群の分布特性を箱ひげ図で比較し検討した。群間比較にはMann–WhitneyのU検定を用い,統計学的有意水準は5%とした。
【結果と考察】
 前期・後期高齢者群間で主観的口腔健康感は有意差を認め,舌圧および咀嚼能力において有意差は認めなかった。箱ひげ図による分布の比較では,主観的口腔健康感の中央値は後期高齢者群で6,前期高齢者群の4より高く,分布も高値側に集中していた。一方,舌圧の中央値は前期高齢者群で30Kpa,後期高齢者群で26Kpaであった。咀嚼能力の中央値は前期高齢群者群で162mg/dl,後期高齢者群で174mg/dlであった。舌圧および咀嚼能力ともに両群で大きな差を示さず,後期高齢者群では四分位範囲および全体の分布幅が広く,個人差の大きい分布構造を示した。地域在住高齢者における主観的口腔健康感の評価は,舌圧や咀嚼能力という単一の口腔機能指標とは必ずしも一致せず,高齢期における生活機能や健康観などの他の要因を反映している可能性があると考えた。地域歯科保健活動の目標設定には主観的口腔健康感と簡便な口腔機能評価を組み合わせることが留意点となることが示唆された。(COI 開示:なし)(愛知学院大学倫理審査委員会 承認番号700)