講演情報

[P-065]昭和医科大学藤が丘病院 病院歯科口腔ケア回診と周術期口腔機能管理の現状と課題

○桑澤 実希1,2、鈴木 啓之2、大澤 淡紅子2、向井 友子2、山根 邦仁2、赤穂 和樹2、田上 理沙子2、田畑 友寛2、杉木 亨2、浪川 夏絵2、岡田 遥香2、橋本 はるか2、清河 徳任2、中原 颯太2、古屋 純一2 (1. 昭和医科大学藤が丘病院 病院歯科、2. 昭和医科大学 大学院 歯学研究科 口腔機能管理学分野)
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【目的】
当院は急性期病院の病院歯科として周術期口腔機能管理を担っているが,常勤歯科医師2名体制では全症例への対応が困難である。そのため,非常勤歯科医師による口腔ケア回診を併用している。本報告では,非常勤歯科医師による口腔ケア回診の実施実態を明らかにし,そこから見えてきた課題について検討する。
【方法】
昭和医科大学藤が丘病院において,2024年4月から2025年3月までに周術期口腔機能管理の依頼があった初診患者2,291名を対象とした。診療録および当科データベースを用いて後方視的に調査した。
【結果と考察】
当科において周術期口腔機能管理Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの診療を行った初診患者数は2,291名であった。診療体制は常勤歯科医師2名,歯科衛生士3名で構成され,全身麻酔下での口腔外科処置,入院患者の口腔ケアおよび一般歯科診療を担っている。しかし,周術期口腔機能管理を継続的に必要とする症例に対しては,現行体制では十分な対応が困難である。そこで非常勤歯科医師と歯科衛生士で編成した2~3チームで毎週1日回,口腔ケア回診を実施し,入院患者の口腔衛生管理を行った。対象期間中に介入した患者は373名であり,そのうち周術期口腔機能管理Ⅱは100名,Ⅳは108名,合計208名であった。周術期口腔機能管理Ⅱは,術後3回目以降の口腔管理が必要と診断された患者を対象とし,術後入院期間が長期化し,看護師による日常的口腔ケアのみでは十分な口腔清掃が困難であった症例である。診療科別では脳神経センターが57%,循環器センターが32%,と高く,その後を呼吸器センター等が続いた。周術期口腔機能管理Ⅳでは,集中治療管理下の患者68名,化学療法等の患者40名であった。非常勤歯科医師による口腔ケア回診は,限られた人員体制下において周術期口腔機能管理の質と継続性を確保する上で有効である。一方で,周術期口腔管理の全対象患者に対する実施率は約55%にとどまっており,今後の充足率向上には歯科医師・歯科衛生士の人員不足が大きな課題である。また,入院中の口腔健康管理は病棟看護師が日常的な口腔管理能力を獲得することが重要である。多職種連携をさらに強化し,統一した評価指標に基づくアセスメントを実施することが課題であると考えている。
(COI開示:なし)(昭和医科大学における人を対象とする研究等に関する倫理委員会 承認番号21-165-A)