講演情報
[P-069]市販義歯洗浄剤がスタッド型アタッチメントの維持力に及ぼす影響
○原田 佳枝1、長富 亮雅1、村田 比呂司1 (1. 長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科 歯科補綴学分野)
【目的】
高齢者において義歯洗浄の簡便化・効率化は重要であり,義歯洗浄剤が大きな役割を担っている。義歯床材料への影響は多く調べられているが,インプラント支持型可撤性補綴装置(IOD: implant overdenture)のアタッチメントに対する評価は限定的である。本研究では,商用義歯洗浄剤への浸漬がLOCATOR®(LOC)およびCM LOC®(CML)の維持力と関連因子へ与える影響を比較検討した。なお,本研究は倫理審査対象外のin vitro研究である。
【方法】
LOCとCMLの雌部インサートを試料とした。義歯洗浄剤溶液4種(酵素入り過酸化物系:PE,酸性:QDC,次亜塩素酸系:RC,銀系無機抗菌剤配合系:SC)と蒸留水(DW)を調製し,15分浸漬・15秒水洗を24回繰り返した(総浸漬6時間)。維持力は万能試験機で測定し,表面観察はSEM,表面粗さはレーザマイクロスコープを用いた。吸水率と溶解率は試料重量から算出した。
【結果と考察】
維持力の平均値はLOC・CMLともにPE・QDC条件で有意に低下したが,RC・SC条件では変化を認めなかった。LOCはCMLより維持力低下が大きく,特にPE・QDCで顕著であった。各測定内の最大値,最小値,最大-最小の範囲を分析したところ,LOCではPE・QDC・RC条件で最小値の低下と範囲の増大を認め,嵌合の不安定化が示唆された。一方,CMLでは最小値の低下と範囲の増大はPE条件のみで認められ,嵌合安定性が維持される傾向にあった。SEM観察では両システムとも亀裂や剥離は認めなかった。CMLはLOCより表面粗さが小さく,吸水率も低値であった。以上より,CMLはLOCより酵素入り過酸化物系・酸性義歯洗浄剤の影響を受けにくく,嵌合安定性も高いことが示され,IOD管理ではアタッチメントの種類に応じた洗浄剤選択が重要であることが示唆された。
本研究はヒトを対象としないin vitro研究で倫理審査の対象外であり,また,本研究を行うに際して開示すべき利益相反はない。
高齢者において義歯洗浄の簡便化・効率化は重要であり,義歯洗浄剤が大きな役割を担っている。義歯床材料への影響は多く調べられているが,インプラント支持型可撤性補綴装置(IOD: implant overdenture)のアタッチメントに対する評価は限定的である。本研究では,商用義歯洗浄剤への浸漬がLOCATOR®(LOC)およびCM LOC®(CML)の維持力と関連因子へ与える影響を比較検討した。なお,本研究は倫理審査対象外のin vitro研究である。
【方法】
LOCとCMLの雌部インサートを試料とした。義歯洗浄剤溶液4種(酵素入り過酸化物系:PE,酸性:QDC,次亜塩素酸系:RC,銀系無機抗菌剤配合系:SC)と蒸留水(DW)を調製し,15分浸漬・15秒水洗を24回繰り返した(総浸漬6時間)。維持力は万能試験機で測定し,表面観察はSEM,表面粗さはレーザマイクロスコープを用いた。吸水率と溶解率は試料重量から算出した。
【結果と考察】
維持力の平均値はLOC・CMLともにPE・QDC条件で有意に低下したが,RC・SC条件では変化を認めなかった。LOCはCMLより維持力低下が大きく,特にPE・QDCで顕著であった。各測定内の最大値,最小値,最大-最小の範囲を分析したところ,LOCではPE・QDC・RC条件で最小値の低下と範囲の増大を認め,嵌合の不安定化が示唆された。一方,CMLでは最小値の低下と範囲の増大はPE条件のみで認められ,嵌合安定性が維持される傾向にあった。SEM観察では両システムとも亀裂や剥離は認めなかった。CMLはLOCより表面粗さが小さく,吸水率も低値であった。以上より,CMLはLOCより酵素入り過酸化物系・酸性義歯洗浄剤の影響を受けにくく,嵌合安定性も高いことが示され,IOD管理ではアタッチメントの種類に応じた洗浄剤選択が重要であることが示唆された。
本研究はヒトを対象としないin vitro研究で倫理審査の対象外であり,また,本研究を行うに際して開示すべき利益相反はない。
