講演情報

[P-070]インスタントコーヒーに増粘剤を添加した際のラットの鼓索神経応答および嗜好性に与える影響について

○酒井 純1、前田 知馨代3、大塩 茉奈1、谷口 裕重1、硲 哲崇2 (1. 朝日大学歯学部口腔病態医療学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野、2. 朝日大学歯学部口腔機能修復学講座口腔生理学分野、3. 朝日大学歯学部口腔病態医療学講座障害者歯科学分野)
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【目的】
 増粘剤を添加した際の味覚への影響を明らかにするため,コーヒーに対するラットの味覚神経応答および摂取行動が添加の有無で変化するかどうかを検討した。
【方法】
 実験には雄性Wistar/STラット(8週齢)を用いた。実験1:ラット(n=6)の舌を味溶液で刺激したときの鼓索神経応答を通法に従い記録した。刺激溶液には,市販の0.1 - 30% インスタントコーヒーAおよび1.7% B,と1.7% ドリップコーヒーを,化学的苦味物質としてカフェイン,安息香酸デナトニウム,塩酸キニーネ,クロロゲン酸(すべて20mM)を使用した。増粘剤には主成分が2.54%または3.0% キサンタンガムを用いた。味物質への増粘剤添加の有無による神経応答の変化は,増粘剤添加味溶液に対する実測値と,増粘剤無添加味溶液および増粘剤単体に対する応答値との算術和により比較した。実験2:実験1で増粘剤添加の有無で有意差が認められたインスタントコーヒーAおよび蒸留水とこれらに増粘剤を添加したものを用いる48時間二瓶選択試験をラット(n=12)に対して行った。提示溶液は相互の組み合わせとした。
【結果と考察】
 実験1:実験を行ったすべての味刺激溶液のうち1.7%インスタントコーヒーAのみ実測値が算術和より有意に大きかった(p<0.05)ので,この溶液に対する濃度−応答を調べた。増粘剤濃度を3.0%に固定した場合は1.0%と3.0%のコーヒーで実測値が算術和より有意に大きかった(p<0.05)。コーヒー濃度を3.0%に固定した場合は3.0%と10%の増粘剤で実測値が算術和より有意に大きかった(p<0.05)実験2:インスタントコーヒーAへの増粘剤添加による嗜好性の変化に着目したところ,増粘剤を添加したものは増粘剤単独溶液よりも有意に多く摂取された(p<0.01)。これらの結果から,インスタントコーヒーAと増粘剤を添加すると,鼓索神経応答および嗜好性がともに増強される可能性が示された。
(COI 開示:使用した味物質はコメダ(株),森永乳業クリニコ(株),アロイドコーヒーロースターズ(株)より提供を受けた。これら企業は研究計画,データ取得・解析・解釈,結果公表の決定等には一切関与していない。)
(朝日大学実験動物専門委員会承認番号 24-062,24-063)