講演情報
[P-074]顎関節部の疼痛と開口障害を契機に巨細胞性動脈炎と診断された1例
○森 美由紀1、齊藤 美香1、武山 桂己1、日吉 彩乃1、森 彩乃1、宮本 敦子1、大鶴 洋1,2、平野 浩彦1 (1. 東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科、2. 大鶴歯科口腔外科クリニック)
【緒言・目的】
巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis;GCA)は、大型から中型の動脈を侵襲する原発性血管炎である。今回われわれは、顎関節部の疼痛と開口障害を主訴に当科を受診し、GCAの診断に至った1例を経験したので報告する。
【症例および経過】
症例:78歳男性。既往歴:前立腺癌 高血圧症 狭心症。現病歴:2週間前より食事時の左顎関節部の疼痛と咬筋部の疼痛を自覚した。近歯科受診したところ、顎関節症と診断された。開口障害と顎関節部の疼痛が悪化したため当科初診となった。(第1病日)。初診時全身所見:倦怠感あり。BP:116/62mmHg P:76 BT:37.6度 SpO2:95%(RA) 口腔外所見:側頭部の自発痛あり。側頭動脈の怒張と圧痛あり。左優位の咬筋の圧痛あり。両側顎関節部に疼痛、開口障害あり。最大開口量28mm。口腔内所見:左側下顎第2大臼歯に歯根破折がみられた。処置および経過:初診時、倦怠感が強く、側頭部~顎関節部の疼痛が顕著であるため、採血を施行したところ、WBC:9.04*10^3/μL、CRP:31.35mg/dL、血沈:120mm>時と炎症反応高値を認めた。顎関節部の痛みは顎跛行と判断し、巨細胞性動脈炎を疑い膠原病リウマチ科に対診した。同日、緊急入院となった。第2病日、脳神経外科にて左側頭動脈生検術が施行された。病理組織学的に、側頭動脈壁に少数の巨細胞を含む炎症細胞浸潤がみられ、GCAと診断された。第3病日、局所麻酔下に左側下顎第2大臼歯抜歯術を施行した。同日よりプレドニゾロン60mgで治療が開始された。第13病日頃より、頭痛、側頭動脈の圧痛、顎跛行などの症状は消失し、現在プレドニゾロン6mgで良好な経過を維持している。本報告の発表について、本人から同意を得ている。
【考察】
顎関節部の疼痛と開口障害を契機にGCAと診断された1例を経験した。顎動脈が侵襲されると顎跛行を呈するため、顎関節症と誤認し歯科を受診する可能性がある。顎関節症状のある患者が歯科を受診した際には、CGAの症状の可能性についても念頭におき、該当科と連携しながら診断や治療に当たることが重要であると考えられた。
COI開示;なし 倫理審査対象外
巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis;GCA)は、大型から中型の動脈を侵襲する原発性血管炎である。今回われわれは、顎関節部の疼痛と開口障害を主訴に当科を受診し、GCAの診断に至った1例を経験したので報告する。
【症例および経過】
症例:78歳男性。既往歴:前立腺癌 高血圧症 狭心症。現病歴:2週間前より食事時の左顎関節部の疼痛と咬筋部の疼痛を自覚した。近歯科受診したところ、顎関節症と診断された。開口障害と顎関節部の疼痛が悪化したため当科初診となった。(第1病日)。初診時全身所見:倦怠感あり。BP:116/62mmHg P:76 BT:37.6度 SpO2:95%(RA) 口腔外所見:側頭部の自発痛あり。側頭動脈の怒張と圧痛あり。左優位の咬筋の圧痛あり。両側顎関節部に疼痛、開口障害あり。最大開口量28mm。口腔内所見:左側下顎第2大臼歯に歯根破折がみられた。処置および経過:初診時、倦怠感が強く、側頭部~顎関節部の疼痛が顕著であるため、採血を施行したところ、WBC:9.04*10^3/μL、CRP:31.35mg/dL、血沈:120mm>時と炎症反応高値を認めた。顎関節部の痛みは顎跛行と判断し、巨細胞性動脈炎を疑い膠原病リウマチ科に対診した。同日、緊急入院となった。第2病日、脳神経外科にて左側頭動脈生検術が施行された。病理組織学的に、側頭動脈壁に少数の巨細胞を含む炎症細胞浸潤がみられ、GCAと診断された。第3病日、局所麻酔下に左側下顎第2大臼歯抜歯術を施行した。同日よりプレドニゾロン60mgで治療が開始された。第13病日頃より、頭痛、側頭動脈の圧痛、顎跛行などの症状は消失し、現在プレドニゾロン6mgで良好な経過を維持している。本報告の発表について、本人から同意を得ている。
【考察】
顎関節部の疼痛と開口障害を契機にGCAと診断された1例を経験した。顎動脈が侵襲されると顎跛行を呈するため、顎関節症と誤認し歯科を受診する可能性がある。顎関節症状のある患者が歯科を受診した際には、CGAの症状の可能性についても念頭におき、該当科と連携しながら診断や治療に当たることが重要であると考えられた。
COI開示;なし 倫理審査対象外
