講演情報
[P-080]入院中の要介護高齢者に対しICTを活用して製作した積層造形義歯を用いたリハビリテーションを行った症例
○竜 正大1、小林 嵩史1、上田 貴之1 (1. 東京歯科大学老年歯科補綴学講座)
【緒言・目的】
要介護高齢者において義歯を用いた口腔リハビリテーションは効果的であるが,入院患者などでは義歯の紛失や適合不良により再製作が必要な場合も多い。しかし,病院歯科は歯科技工士が不在の場合も多く,外部の歯科技工所との連携も課題である。今回,CAD/CAM技術を入院中の要介護高齢者の義歯製作に応用し, ICT(Information and Communication Technology)を活用して外部の歯科技工所と連携した積層造形義歯製作を行い,口腔リハビリテーションに応用した症例を経験したので報告する。
【症例および経過】
患者は72歳の男性で脳梗塞のため地方都市病院の回復期リハビリテーション病棟に入院中であった。間接訓練と並行して直接訓練を行うため,義歯を使用した口腔リハビリテーションの実施について言語聴覚士から相談があり,病院歯科を受診した。義歯は脳梗塞発症時から装着しておらず,不適合と人工歯の咬耗を認め,装着したところ容易に脱離した。新義歯を製作したうえで他職種と連携した口腔リハビリテーションを行うこととした。
まず患者の義歯をスキャンして外部の歯科技工所へデータ送信し,同形態の義歯を3Dプリンタで複製した。複製義歯を用いて咬合採得と咬合圧印象を行い,再度スキャンしてCADソフトウエア上に口腔内情報を構築した。病院と歯科技工所間でデザインを遠隔共有し,設計を行い3Dプリンタで義歯を造形した。新義歯を装着し,言語聴覚士や作業療法士と連携して口腔リハビリテーションを行った。計3回の受診で新義歯が装着され,1回の診療時間は20分程度であった。口腔リハビリテーションの実施により,きざみ食であった患者の食形態は通常食へ向上した。
本報告の発表については患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例では,患者の義歯を活用して口腔内情報をデジタル化し,外部の歯科技工所とICTを活用して連携することで,通法よりも診療時間を少なく,かつ短期間に義歯を製作し,口腔リハビリテーションを実施することができた。製作した義歯のデータは保存されているため,今後義歯の破損や紛失が発生しても再製作が容易に行うことが出来る。本症例のアプローチにより,歯科技工士の不足している地域においても,要介護高齢者への機能向上をスムーズに図ることが可能になると考えられた。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)
要介護高齢者において義歯を用いた口腔リハビリテーションは効果的であるが,入院患者などでは義歯の紛失や適合不良により再製作が必要な場合も多い。しかし,病院歯科は歯科技工士が不在の場合も多く,外部の歯科技工所との連携も課題である。今回,CAD/CAM技術を入院中の要介護高齢者の義歯製作に応用し, ICT(Information and Communication Technology)を活用して外部の歯科技工所と連携した積層造形義歯製作を行い,口腔リハビリテーションに応用した症例を経験したので報告する。
【症例および経過】
患者は72歳の男性で脳梗塞のため地方都市病院の回復期リハビリテーション病棟に入院中であった。間接訓練と並行して直接訓練を行うため,義歯を使用した口腔リハビリテーションの実施について言語聴覚士から相談があり,病院歯科を受診した。義歯は脳梗塞発症時から装着しておらず,不適合と人工歯の咬耗を認め,装着したところ容易に脱離した。新義歯を製作したうえで他職種と連携した口腔リハビリテーションを行うこととした。
まず患者の義歯をスキャンして外部の歯科技工所へデータ送信し,同形態の義歯を3Dプリンタで複製した。複製義歯を用いて咬合採得と咬合圧印象を行い,再度スキャンしてCADソフトウエア上に口腔内情報を構築した。病院と歯科技工所間でデザインを遠隔共有し,設計を行い3Dプリンタで義歯を造形した。新義歯を装着し,言語聴覚士や作業療法士と連携して口腔リハビリテーションを行った。計3回の受診で新義歯が装着され,1回の診療時間は20分程度であった。口腔リハビリテーションの実施により,きざみ食であった患者の食形態は通常食へ向上した。
本報告の発表については患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
本症例では,患者の義歯を活用して口腔内情報をデジタル化し,外部の歯科技工所とICTを活用して連携することで,通法よりも診療時間を少なく,かつ短期間に義歯を製作し,口腔リハビリテーションを実施することができた。製作した義歯のデータは保存されているため,今後義歯の破損や紛失が発生しても再製作が容易に行うことが出来る。本症例のアプローチにより,歯科技工士の不足している地域においても,要介護高齢者への機能向上をスムーズに図ることが可能になると考えられた。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)
