講演情報

[P-086]咬合改善を行ったパーキンソン病患者へ摂食嚥下リハビリテーション外来での食の支援を行っている症例

○小林 利也1、渡辺 真人1、鈴木 聡行1、小野 洋一1、菊地 幸信1、平野 昌保1、菊池 宏恵1、高橋 恭子1、若尾 美知代1、佐藤 園枝1、似鳥 純子1、石田 彩1、吉浜 由美子1、日吉 美保1、矢ヶ崎 和美1、東澤 雪子1、杉山 美帆1、飯島 由佳1、飯田 良平2 (1. 藤沢市歯科医師会、2. ヒューマンデンタルクリニック)
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【諸言】当会は藤沢市の2次医療機関として口腔保健センターの診療所を有している。今回,咀嚼障害を主訴に来院したパーキンソン病患者へ金属床義歯による咬合改善を行い,センターの摂食嚥下リハビリテーション外来に繋げ4年が経過している症例について報告する。発表に当たり本会倫理委員会の承認を受け, 患者本人から文書による同意を得た。【症例】初診時82歳男性, 要介護度2,主訴は『食べ物が咬みづらく痛みで左側では咬めない』で,むせや食事時間の延長から口腔機能の低下を伴う摂食機能障害も疑った。現病歴はパーキンソン病, 高血圧, 脊柱管狭窄症。すくみ足が顕著で両脚立位でも動揺があり, 入室は車椅子で一部介助,移乗は全介助であった。口腔内所見は残存歯18本で,顕著な下顎隆起を有したEichner分類B1, 要処置歯を認め,咬合高径低下による下顎変位を招いた上下顎の局部床義歯を使用していた。【経過】抜歯後のEichner 分類 B3 への変化を考慮,咬合の長期的な維持管理を目標に,顎位を改善した金属床局部床義歯を装着すると主訴の改善を得た。3年後に転倒で上顎前歯3本を喪失したが,レーザー溶接で強固な義歯修理を行い安定した咬合を維持することができた。咀嚼能率検査(グルコセンサー)では旧義歯 100mg/dl 以下,新義歯装着以後 200mg/dl 以上であった。この口腔環境を以て口腔機能低下症の検査とVEによる嚥下機能評価を実施した。初回,兵頭スコア3点で鼻咽腔閉鎖不全と咽頭残留を認めたが,交互嚥下でwash out可能であった。鉤歯の破折などもあったが,摂食嚥下リハビリテーション外来のスタッフ (歯科医師, 耳鼻咽喉科医師, 歯科衛生士, 理学療法士, 言語聴覚士, 管理栄養士)により,歯科治療に加え,食べる機能の支援を継続している。【考察】パーキンソン病患者の咬合及び顎位を改善し,金属床義歯を装着した後に摂食嚥下リハビリテーション外来に繋げた。原疾患より経時的な機能低下は否めないが,窒息や誤嚥性肺炎もなく食べる機能を維持している。適正な口腔環境を構築したうえで多職種により食べる機能の評価を行い,安全な経口摂取を支えることは,地域完結型医療の一端を担う2次医療機関の大切な役割であると再確認された。(COI 開示なし)藤沢市歯科医師会倫理委員会承認番号/2025-004