講演情報
[P-092]根面う蝕修復におけるグラスアイオノマーセメントの辺縁封鎖性評価
○樋地 あかり1、田中 宏冶1、平野 恭佑1 (1. 株式会社ジーシーR&D)
【目的】
高齢者の根面う蝕は増加しており修復時に残存脱灰象牙質や唾液汚染が臨床リスクとなる。国内では根面う蝕修復にコンポジットレジン(CR)が多用されるが,防湿困難な症例ではグラスアイオノマー(GI)が推奨される。GIは粉液型に加え,機械練和で手練和不要のカプセル型,練和が容易なペースト型の展開がある。本研究では根面う蝕修復で課題となる脱灰象牙質や唾液汚染下のGIとCRの辺縁封鎖性評価を行った。
【方法】
カプセル型GIのフジⅨGPエクストラカプセルとフジⅦカプセル,ペースト型GIのフジフィルLCとフジフィルLCフロー(以上ジーシー),CRの製品A(他社A)を用いた。牛歯歯根部に深さ2mm径2mmの窩洞を形成し,以下の条件で試験体を作製した。未処理群:業者指定の歯面処理後,各材料を充填・硬化させ,辺縁を露出させた。脱灰群:37℃pH4.5酢酸脱灰液60h浸漬後,未処理群と同様の操作を実施した。唾液汚染群:脱灰群の表面処理後に人工唾液を塗布した。試験体はサーマルサイクル(5-55℃,30s,500回)を行い色素水溶液4h浸漬後に切断し,辺縁への色素侵入深さをスコア評価(0:0mm,1:0.5mm未満,2:0.5-1mm,3:1.5-2mm,4:2mm以上)した(n=7)。統計処理としてフィッシャー検定,ペア比較(フィッシャー法,BH補正でFDR5%)を行った。(倫理審査対象外)
【結果と考察】
GIは全条件で大部分がスコア0,一部にスコア1がみられた。一方製品A未処理群は全てスコア0,脱灰群でスコア0・1・2が混在,唾液汚染群は全てスコア4だった。GI各条件・製品A未処理群と製品A唾液汚染群に有意差が検出された。GIは水を介した酸塩基反応で硬化・接着が進行するため唾液となじみが良く,硬化・接着反応阻害を受けにくく,唾液汚染下でも窩洞表面に密着し良好な辺縁封鎖性を示したと推察する。一方CRは疎水性成分主体で,唾液汚染下ではボンディング層との密着が得られず辺縁封鎖性が低下したと推察した。CR脱灰群は未処理群より辺縁封鎖性低下傾向を示したが有意差はなく,脱灰で露出したコラーゲン層がボンディングの接着性に及ぼす影響は本条件では軽微と推察した。以上より根面う蝕修復で防湿容易な症例はCR修復で問題なく,困難な症例はGIが有用と示唆された。
COI開示:株式会社ジーシーR&D
高齢者の根面う蝕は増加しており修復時に残存脱灰象牙質や唾液汚染が臨床リスクとなる。国内では根面う蝕修復にコンポジットレジン(CR)が多用されるが,防湿困難な症例ではグラスアイオノマー(GI)が推奨される。GIは粉液型に加え,機械練和で手練和不要のカプセル型,練和が容易なペースト型の展開がある。本研究では根面う蝕修復で課題となる脱灰象牙質や唾液汚染下のGIとCRの辺縁封鎖性評価を行った。
【方法】
カプセル型GIのフジⅨGPエクストラカプセルとフジⅦカプセル,ペースト型GIのフジフィルLCとフジフィルLCフロー(以上ジーシー),CRの製品A(他社A)を用いた。牛歯歯根部に深さ2mm径2mmの窩洞を形成し,以下の条件で試験体を作製した。未処理群:業者指定の歯面処理後,各材料を充填・硬化させ,辺縁を露出させた。脱灰群:37℃pH4.5酢酸脱灰液60h浸漬後,未処理群と同様の操作を実施した。唾液汚染群:脱灰群の表面処理後に人工唾液を塗布した。試験体はサーマルサイクル(5-55℃,30s,500回)を行い色素水溶液4h浸漬後に切断し,辺縁への色素侵入深さをスコア評価(0:0mm,1:0.5mm未満,2:0.5-1mm,3:1.5-2mm,4:2mm以上)した(n=7)。統計処理としてフィッシャー検定,ペア比較(フィッシャー法,BH補正でFDR5%)を行った。(倫理審査対象外)
【結果と考察】
GIは全条件で大部分がスコア0,一部にスコア1がみられた。一方製品A未処理群は全てスコア0,脱灰群でスコア0・1・2が混在,唾液汚染群は全てスコア4だった。GI各条件・製品A未処理群と製品A唾液汚染群に有意差が検出された。GIは水を介した酸塩基反応で硬化・接着が進行するため唾液となじみが良く,硬化・接着反応阻害を受けにくく,唾液汚染下でも窩洞表面に密着し良好な辺縁封鎖性を示したと推察する。一方CRは疎水性成分主体で,唾液汚染下ではボンディング層との密着が得られず辺縁封鎖性が低下したと推察した。CR脱灰群は未処理群より辺縁封鎖性低下傾向を示したが有意差はなく,脱灰で露出したコラーゲン層がボンディングの接着性に及ぼす影響は本条件では軽微と推察した。以上より根面う蝕修復で防湿容易な症例はCR修復で問題なく,困難な症例はGIが有用と示唆された。
COI開示:株式会社ジーシーR&D
