講演情報
[P-095]汎用型Web会議システムを用いた常時デジタル連携型歯科訪問診療チームの構築と有用性の検討
○三輪 俊太1,2、中島 淳子1、大曽根 歩愛1、曽我 愛子1、杉浦 有佳子1 (1. Ihana歯科岐阜、2. 大阪大学大学院歯学研究科有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座)
【目的】
歯科訪問診療における情報断絶や心理的孤立といった課題に対し,Web会議システム(Google Meet)を用いた常時連携型チームを構築し,業務・臨床・心理面への影響を検討することを目的とする。
【方法】
対象は当院歯科医師5名,歯科衛生士7名,医療事務3名の計15名。非構造化インタビューの逐語録をカテゴリー化し,KH Coder 3でテキストマイニングを行った。また,歯科医師3名,歯科衛生士6名を対象に,導入前後の変化をカテゴリーに準じた14項目のVASで評価するアンケートを行った。統計解析にはカイ二乗検定,Wilcoxon符号付順位検定,対応のあるt検定を用い,FDR補正を適用した。
【結果と考察】
質的分析より,大カテゴリー,業務効率化・臨床の向上・組織マネジメント・組織運営および中カテゴリー11項目を抽出した。主要中カテゴリーとして以下を示す。①コミュニケーションコストの低下 全コードの44.0%を占め,医療事務(57.7%)で言及が有意に高かった(p<0.05)。VAS(paired t-test)では該当する2項目に対して平均差-67.9(95%CI -83.8〜-51.9),平均差-71.0(-87.3〜-54.7)といずれも有意に改善した(p<0.0001)。音声による即時的な同期が,連絡開始に伴う手続き的・心理的負荷を低減した。⑤専門職による遠隔支援 言及数16.6%で,医療事務の言及が歯科衛生士より有意に多く(p<0.05),VASも平均差-36.9(-57.2〜-16.6)と有意に改善した(p=0.0072)。現場の歯科衛生士や歯科医師が即座に上級医に相談できる体制が実現した。⑦心理的孤立の解消 言及数14.0%で,単独移動の多い歯科衛生士(16.5%)で顕著であった。VASも平均差-35.0(-47.8〜-22.2)と有意に改善した(p=0.0010)。常時接続が,単独医療従事者の不安軽減に寄与した。歯科訪問診療においてハンズフリーで成立するコミュニケーション環境を整備することで,患者との対話の増加,相談体制の強化,不安感の解消が連鎖的に生じ,チーム機能の向上に寄与する可能性が示唆された。本モデルは専用システムを要さず,汎用型Web会議システムで再現可能であり,地域差・施設差を超えた展開が期待される。(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
歯科訪問診療における情報断絶や心理的孤立といった課題に対し,Web会議システム(Google Meet)を用いた常時連携型チームを構築し,業務・臨床・心理面への影響を検討することを目的とする。
【方法】
対象は当院歯科医師5名,歯科衛生士7名,医療事務3名の計15名。非構造化インタビューの逐語録をカテゴリー化し,KH Coder 3でテキストマイニングを行った。また,歯科医師3名,歯科衛生士6名を対象に,導入前後の変化をカテゴリーに準じた14項目のVASで評価するアンケートを行った。統計解析にはカイ二乗検定,Wilcoxon符号付順位検定,対応のあるt検定を用い,FDR補正を適用した。
【結果と考察】
質的分析より,大カテゴリー,業務効率化・臨床の向上・組織マネジメント・組織運営および中カテゴリー11項目を抽出した。主要中カテゴリーとして以下を示す。①コミュニケーションコストの低下 全コードの44.0%を占め,医療事務(57.7%)で言及が有意に高かった(p<0.05)。VAS(paired t-test)では該当する2項目に対して平均差-67.9(95%CI -83.8〜-51.9),平均差-71.0(-87.3〜-54.7)といずれも有意に改善した(p<0.0001)。音声による即時的な同期が,連絡開始に伴う手続き的・心理的負荷を低減した。⑤専門職による遠隔支援 言及数16.6%で,医療事務の言及が歯科衛生士より有意に多く(p<0.05),VASも平均差-36.9(-57.2〜-16.6)と有意に改善した(p=0.0072)。現場の歯科衛生士や歯科医師が即座に上級医に相談できる体制が実現した。⑦心理的孤立の解消 言及数14.0%で,単独移動の多い歯科衛生士(16.5%)で顕著であった。VASも平均差-35.0(-47.8〜-22.2)と有意に改善した(p=0.0010)。常時接続が,単独医療従事者の不安軽減に寄与した。歯科訪問診療においてハンズフリーで成立するコミュニケーション環境を整備することで,患者との対話の増加,相談体制の強化,不安感の解消が連鎖的に生じ,チーム機能の向上に寄与する可能性が示唆された。本モデルは専用システムを要さず,汎用型Web会議システムで再現可能であり,地域差・施設差を超えた展開が期待される。(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)
