講演情報

[SCS1]口腔乾燥症診断ツール(案)の紹介

○伊藤 加代子1,12、吉田 光由2,12、岩渕 博史3,13、山本 一彦4,13、戸谷 収二5,14、渡部 茂6,14、山内 智博7,15、森山 雅文8,15、中村 誠司9,15、清水 真弓8,16、高木 幸則10,16、安彦 善裕11,17 (1. 新潟大学医歯学総合病院、2. 藤田医科大学、3. 国際医療福祉大学那須医療センター、4. 奈良県総合医療センター、5. 日本歯科大学新潟病院、6. 明海大学、7. 東京都立駒込病院、8. 九州大学、9. 長崎国際大学、10. 長崎大学、11. 北海道医療大学病院、12. 日本老年歯科医学会、13. 日本口腔内科学会、14. 日本歯科薬物療法学会、15. 日本口腔ケア学会、16. 日本歯科放射線学会、17. 日本歯科心身症医学会)
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【略歴】
1998年 九州歯科大学卒業
2002年 九州歯科大学大学院修了
2002年 (財)長寿科学振興財団 リサーチ・レジデント
2005年 新潟大学医歯学総合病院 加齢歯科診療室 助教
2015年 新潟大学医歯学総合病院 口腔リハビリテーション科 病院講師

【専門医など】
日本老年歯科医学会 専門医指導医
日本口腔内科学会 専門医指導医
日本性差医療・医学会 認定医
日本東洋歯科医学会 認定医
日本摂食嚥下リハビリテーション学会 認定士
更年期と加齢のヘルスケア学会 メノポーズカウンセラー
 口腔乾燥を訴える者は増えており,口腔乾燥をもたらす原因の分類や治療方針などの作成が望まれる。本学会,日本口腔内科学会,日本歯科薬物療法学会,日本口腔ケア学会による4学会合同口腔乾燥症用語・分類検討委員会では,2022年に口腔乾燥症の新分類を作成した(老年歯科医学 37supplement, 20-22, 2023.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsg/37/supplement/37_20/_pdf/-char/ja)。本分類では,口腔乾燥症を「自覚的な口腔乾燥感と他覚的な口腔乾燥所見(唾液の量的減少と唾液の質的変化を含む)のいずれかを認めるもの」と定義している。原因については,「唾液分泌量の減少あるいは分泌唾液の質的変化があるもの」,「唾液分泌量の減少および分泌唾液の質的変化がないもの」に分類し,前者には唾液腺実質障害,唾液分泌刺激障害,全身性障害,特発性のものが含まれ,後者には全身的な原因によるもの,口腔に原因があるもの,薬剤性,特発性のものが含まれている。
 実際に口腔乾燥症の診断を行うには,診断のためのツールや原因を探索するためのツールが必要である。今回,日本歯科放射線学会,日本歯科心身症医学会を加えた6学会合同口腔乾燥症用語・分類検討委員会では,口腔乾燥症新分類を基に,口腔乾燥症診断ツール(案)を作成した。口腔乾燥症診断ツール(案)は,「口腔乾燥症の診断シート(仮称)」,「口腔乾燥症の診断フローチャート(仮称)」,「口腔乾燥症の原因チェックリスト(仮称)」の3つから成っている。
 「口腔乾燥症の診断シート(仮称)」は,口腔乾燥感や粘つき感などの自覚症状,口腔粘膜の乾燥感や舌乳頭の萎縮などの他覚的所見,唾液分泌量などの検査所見が列挙されており,口腔乾燥症であるかどうかを診断するツールである。「口腔乾燥症の診断フローチャート(仮称)」は,口腔乾燥症と診断された患者に対して,その原因を明らかにするために,唾液分泌量検査や唾液腺の画像検査などをどのように進めていくのかわかりやすくフローチャートとして示したものである。しかし,口腔乾燥症の原因は,1名の患者あたり1要因ではなく,例えば,薬剤の副作用と精神的ストレスと口呼吸といったように多因子であることが多い。そのため,原因を網羅的に探索できるようにすべての要因をリストアップした「口腔乾燥症の原因チェックリスト(仮称)を作成した。
 本セッションでは,口腔乾燥症の新分類について改めて解説するとともに,3つの口腔乾燥症の診断ツール案を紹介する。今後,各学会でパブリックコメントを募集する予定であるが,本セッションにおいても広くご意見をいただきたいと考えている。