講演情報
[SCS5-3]高齢者医療の生活支援とMSWの役割,医科歯科連携で支えウェルビーイングの向上へ
○水越 新人1,2 (1. 日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック、2. 東北福祉大学大学院総合福祉学研究科社会福祉学専攻 研究生)

【略歴】
水越新人(みずこしあらと)社会福祉学修士,社会福祉士
医療療養型病院,総合病院,急性期病院,回復期リハビリテーション病院において,社会福祉士として医療ソーシャルワーカー業務に従事し,相談援助,退院支援,多職種連携を担い,療養生活に伴う生活課題の解決に取り組んできた.とくに,地域・在宅支援では,医療・福祉制度の調整や社会資源の活用を通じ,退院後の療養生活や生活課題の解決を見据えた支援を実践してきた.また,貧困者支援にも継続的に取り組んでいる.現在は,2019年より日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックに勤務し,歯科医療領域におけるソーシャルワークを実践している.2026年,東北福祉大学大学院総合福祉学研究科社会福祉学専攻修了,修士(社会福祉学).現在は,臨床事例を基に,地域・在宅支援を含むソーシャルワーカー介入がクライエントの生活環境改善に及ぼす影響について研究している.
水越新人(みずこしあらと)社会福祉学修士,社会福祉士
医療療養型病院,総合病院,急性期病院,回復期リハビリテーション病院において,社会福祉士として医療ソーシャルワーカー業務に従事し,相談援助,退院支援,多職種連携を担い,療養生活に伴う生活課題の解決に取り組んできた.とくに,地域・在宅支援では,医療・福祉制度の調整や社会資源の活用を通じ,退院後の療養生活や生活課題の解決を見据えた支援を実践してきた.また,貧困者支援にも継続的に取り組んでいる.現在は,2019年より日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックに勤務し,歯科医療領域におけるソーシャルワークを実践している.2026年,東北福祉大学大学院総合福祉学研究科社会福祉学専攻修了,修士(社会福祉学).現在は,臨床事例を基に,地域・在宅支援を含むソーシャルワーカー介入がクライエントの生活環境改善に及ぼす影響について研究している.
2026年に厚生労働省が示した医療ソーシャルワーカー(以下,MSW)の業務指針では,入退院支援や社会資源調整に加え,退院後や在宅の療養生活を見据えた継続的支援の重要性が示された.これは,患者が地域や自宅で療養生活を営む中で,どのように生活を支え,社会資源や医療を活用するかを,多職種で検討していくことが求められている.
MSWが行う患者支援は,退院調整,在宅サービス導入,社会制度活用などを基盤として組み立てられ,日常生活や生活環境の調整を行うことが中心である.その過程では,摂食やセルフケアに関する課題についても,生活を維持するという観点から支援が検討される.一方で,こうした支援の流れの中で,必ずしも歯科医療に向け情報共有や連携が行われず,生活支援が十分に整理されないまま,在宅支援が進められる状況が生じている.
具体的には,MSWが患者の支援を進める過程において,摂食嚥下機能の低下といった,生活に密接に関わる課題が生じる場面がある.こうした課題に対しては,歯科医療職以外の多職種による摂食支援が検討され,誤嚥や生活上の安全を優先する観点から,摂食そのものを制限・回避する支援が選択されることがある.その結果として,摂食や口腔機能に関する課題が支援課題として位置づけられにくい状況が生じている.
このような状況が生じる背景として,歯科医療が日常生活支援とは切り離して理解されやすい現状が挙げられる.MSWが把握する患者情報は,生活歴,家族状況,介護体制,社会資源の利用状況など,生活全体に関わる内容が中心となる.そのため,口腔内の状態や歯科的評価は,医療情報の一部として断片的に共有されるにとどまりやすい.結果として,摂食や口腔機能の変化が生活上の課題として認識されていても,歯科医療の専門的関与が必要な課題として整理されず,多職種間での検討につながりにくい状況が生じている.このように,生活上の変化と歯科医療とを結び付けて整理する視点が,日常的な支援の中で十分に明確化されていないことが,連携を進める上での課題となっている.
こうした課題を踏まえると,歯科医療が高齢者や障がい者の療養生活を支える医療として十分に機能していくためには,摂食嚥下機能や口腔内の状態を生活機能の一要素として評価し,その見立てを生活支援の検討に活かしていく視点が重要となる.歯科医療から提供される評価や専門的判断が多職種間で共有されることで,摂食支援や生活上の工夫が歯科的視点を踏まえて検討されるようになる.その中でMSWは,生活全体を俯瞰する立場から,歯科医療による評価を生活課題の整理に位置づけ,必要な支援につなげていく役割を担っている.こうした歯科医療とMSWの協働が,多職種連携における支援の質を高め,患者のQOLおよびウェルビーイングの向上に寄与すると考える.
MSWが行う患者支援は,退院調整,在宅サービス導入,社会制度活用などを基盤として組み立てられ,日常生活や生活環境の調整を行うことが中心である.その過程では,摂食やセルフケアに関する課題についても,生活を維持するという観点から支援が検討される.一方で,こうした支援の流れの中で,必ずしも歯科医療に向け情報共有や連携が行われず,生活支援が十分に整理されないまま,在宅支援が進められる状況が生じている.
具体的には,MSWが患者の支援を進める過程において,摂食嚥下機能の低下といった,生活に密接に関わる課題が生じる場面がある.こうした課題に対しては,歯科医療職以外の多職種による摂食支援が検討され,誤嚥や生活上の安全を優先する観点から,摂食そのものを制限・回避する支援が選択されることがある.その結果として,摂食や口腔機能に関する課題が支援課題として位置づけられにくい状況が生じている.
このような状況が生じる背景として,歯科医療が日常生活支援とは切り離して理解されやすい現状が挙げられる.MSWが把握する患者情報は,生活歴,家族状況,介護体制,社会資源の利用状況など,生活全体に関わる内容が中心となる.そのため,口腔内の状態や歯科的評価は,医療情報の一部として断片的に共有されるにとどまりやすい.結果として,摂食や口腔機能の変化が生活上の課題として認識されていても,歯科医療の専門的関与が必要な課題として整理されず,多職種間での検討につながりにくい状況が生じている.このように,生活上の変化と歯科医療とを結び付けて整理する視点が,日常的な支援の中で十分に明確化されていないことが,連携を進める上での課題となっている.
こうした課題を踏まえると,歯科医療が高齢者や障がい者の療養生活を支える医療として十分に機能していくためには,摂食嚥下機能や口腔内の状態を生活機能の一要素として評価し,その見立てを生活支援の検討に活かしていく視点が重要となる.歯科医療から提供される評価や専門的判断が多職種間で共有されることで,摂食支援や生活上の工夫が歯科的視点を踏まえて検討されるようになる.その中でMSWは,生活全体を俯瞰する立場から,歯科医療による評価を生活課題の整理に位置づけ,必要な支援につなげていく役割を担っている.こうした歯科医療とMSWの協働が,多職種連携における支援の質を高め,患者のQOLおよびウェルビーイングの向上に寄与すると考える.
