講演情報

[課題1-3]ポータブルエコーを用いた咽頭残留評価法の開発

○丸山 詩央1、吉川 峰加1、髙橋 優太朗1、春田 梓1、津賀 一弘1 (1. 広島大学大学院医系科学研究科先端歯科補綴学)
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【目的】
 摂食・嚥下障害は誤嚥性肺炎のリスク因子の一つである。誤嚥性肺炎は長期入院や死亡リスク等と関連することから,その予防・対策は周術期の患者管理においても重要視されている。咽頭残留の確認は誤嚥防止に重要であり,これまでビデオ嚥下内視鏡検査(VE)やビデオ嚥下造影検査(VF)で精査されている。しかし,これらの検査をすべての患者に実施することは難しい。
 本研究では,近年普及が進むポータブルエコーを用いた咽頭残留の評価方法を開発・検討し,従来の検査方法との比較によりその有用性を明らかにすることを目的とした。
【方法】
 頭頸部に外科的侵襲が加えられていない成人7名(53-88歳,男性3名,女性4名)を対象とした。CT画像から擬似エコー像を作成し,実際のエコー撮影時の解剖学的指標として用いた。VF,VEおよびポータブルエコー(Sonosite 180Ⅱ®︎,SonoSite Inc., USA) による超音波検査を同時に実施した。試験食品は水3 ccよび小スプーン一杯のゼリーを用いた。エコーのプローブはオトガイ最前方点と左側下顎角の中点に設置した。すべての検査は同一の術者グループが実施した。VF,VE像における咽頭残留量は,嚥下前後の喉頭蓋谷および梨状陥凹を評価対象としてYale Pharyngeal Residue Severity Rating Scaleを用いて評価した。 エコー像については,咽頭残留量の評価として喉頭蓋谷および梨状陥凹の残留相当部位の強調像の有無および範囲を記録した。
【結果と考察】
 擬似エコー像により喉頭蓋谷と梨状陥凹の位置を確認することで,ポータブルエコーによる画像上でも喉頭蓋谷および梨状陥凹が適切に同定できることが明らかとなった。
 VF,VEおよびエコー撮影における評価結果は,咽頭残留の有無および量において概ね同程度を示し,ポータブルエコーを用いた咽頭残留の評価がVFや VEによる検査の要否を判断するスクリーニング検査として応用できる可能性が示唆された。
(COI 開示:なし)
(広島大学 倫理審査委員会承認番号 E2024-0119)