講演情報
[課題2-1]後期高齢者における義歯の適合状態の変化と要介護移行リスクの関連:The OHSAKA study
○武内 聡子1、豆野 智昭1、吉備 皓太郎1、山本 陵平2、深田 拓司3、池邉 一典1 (1. 大阪大学大学院歯学研究科有床義歯補綴学・高齢者歯科学講座、2. 大阪大学キャンパスライフ健康支援・相談センター 保健管理部門、3. 一般社団法人 大阪府歯科医師会)
【目的】
高齢者における義歯の適合不良は,咀嚼機能低下や低栄養を介して要介護への移行に関与すると考えられる。しかし,義歯の状態やその変化に着目して要介護移行との関連を検討した報告はない。本研究では,後期高齢者における義歯の適合やその推移と要介護移行との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
大阪府後期高齢者医療歯科健康診査(以下,歯科健診)を,2018~2020年度(T1)と2021~2023年度(T2)の2回受診した78,791人のうち,要支援および要介護の認定を受けていない義歯使用者を対象とした。歯科医師が義歯の適合状態を良好または不良で評価し,T1→T2での義歯の適合状態の変化を義歯適合の推移として,良好→良好の「良好群」,不良→良好の「改善群」,良好→不良の「悪化群」,不良→不良の「不良群」の4群に分類した。T2以降に生じた新規要介護認定(要支援1以上)をアウトカム,死亡を競合リスクとして,累積発生率を算出した。また,共変量を年齢,性別,残存歯数,口腔衛生状態,BMI,全身疾患(高血圧,高脂血症,糖尿病,認知症,骨粗鬆症)の既往としたFine–Grayモデルにより,良好群を基準とした部分分布ハザード比(sHR)を算出した。
【結果と考察】
分析対象者37,635人(平均年齢82.1±3.8歳,男性16,556人[44.0%])のうち,義歯適合状態の推移の内訳は,良好群67.0%,改善群11.9%,悪化群12.2%,不良群8.9%であった。平均追跡期間2.4±0.8年において,21.5%に新規要介護認定,3.7%に死亡を認めた。3年累積要介護発生率は,良好群21.5%,改善群23.0%,悪化群26.8%,不良群27.8%であり,悪化群および不良群で高値を示した。多変量モデルの結果,悪化群と不良群は,新規要介護認定と関連することが示された(sHR [95%信頼区間]:良好群1.00 [基準],改善群1.02 [0.95–1.10], 悪化群1.11 [1.04–1.19], 不良群1.11 [1.03–1.20])。これらの結果から,義歯の適合状態が悪化した,もしくは不良なままの群では,要介護移行リスクが高いことが示された。
(COI開示:なし)
(大阪大学大学院歯学研究科・歯学部および歯学部附属病院倫理審査委員会 承認番号R7-E27)
高齢者における義歯の適合不良は,咀嚼機能低下や低栄養を介して要介護への移行に関与すると考えられる。しかし,義歯の状態やその変化に着目して要介護移行との関連を検討した報告はない。本研究では,後期高齢者における義歯の適合やその推移と要介護移行との関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
大阪府後期高齢者医療歯科健康診査(以下,歯科健診)を,2018~2020年度(T1)と2021~2023年度(T2)の2回受診した78,791人のうち,要支援および要介護の認定を受けていない義歯使用者を対象とした。歯科医師が義歯の適合状態を良好または不良で評価し,T1→T2での義歯の適合状態の変化を義歯適合の推移として,良好→良好の「良好群」,不良→良好の「改善群」,良好→不良の「悪化群」,不良→不良の「不良群」の4群に分類した。T2以降に生じた新規要介護認定(要支援1以上)をアウトカム,死亡を競合リスクとして,累積発生率を算出した。また,共変量を年齢,性別,残存歯数,口腔衛生状態,BMI,全身疾患(高血圧,高脂血症,糖尿病,認知症,骨粗鬆症)の既往としたFine–Grayモデルにより,良好群を基準とした部分分布ハザード比(sHR)を算出した。
【結果と考察】
分析対象者37,635人(平均年齢82.1±3.8歳,男性16,556人[44.0%])のうち,義歯適合状態の推移の内訳は,良好群67.0%,改善群11.9%,悪化群12.2%,不良群8.9%であった。平均追跡期間2.4±0.8年において,21.5%に新規要介護認定,3.7%に死亡を認めた。3年累積要介護発生率は,良好群21.5%,改善群23.0%,悪化群26.8%,不良群27.8%であり,悪化群および不良群で高値を示した。多変量モデルの結果,悪化群と不良群は,新規要介護認定と関連することが示された(sHR [95%信頼区間]:良好群1.00 [基準],改善群1.02 [0.95–1.10], 悪化群1.11 [1.04–1.19], 不良群1.11 [1.03–1.20])。これらの結果から,義歯の適合状態が悪化した,もしくは不良なままの群では,要介護移行リスクが高いことが示された。
(COI開示:なし)
(大阪大学大学院歯学研究科・歯学部および歯学部附属病院倫理審査委員会 承認番号R7-E27)
