講演情報
[SS2]義歯安定剤の正しい考え方と部分床義歯への応用
○村田 比呂司1、○原田 佳枝1 (1. 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 歯科補綴学分野)

【村田 比呂司先生 略歴】
1986年 九州歯科大学卒業
1990年 広島大学大学院修了(歯学博士)広島大学 助手
(1993年 英国ニューカッスル大学 留学)
2004年 広島大学病院 講師
2006年 長崎大学大学院歯科補綴学分野 教授
(2019年4月~2025年3月 長崎大学歯学部長)
2026年 長崎大学 歯科補綴学分野 特命教授
日本補綴歯科学会指導医・専門医日本老年歯科医学会指導医・専門医
【原田 佳枝先生 略歴】
2000年 九州大学歯学部卒業
2004年 九州大学大学院修了(博士(歯学))
2004年 広島大学病院 咬合・義歯診療科
2009年 広島大学大学院 助教
2016年 鹿児島大学大学院 助教
(2019年 鹿児島大学病院 診療講師)
2024年 長崎大学大学院歯科補綴学分野 准教授
日本補綴歯科学会指導医・専門医日本老年歯科医学会専門医
1986年 九州歯科大学卒業
1990年 広島大学大学院修了(歯学博士)広島大学 助手
(1993年 英国ニューカッスル大学 留学)
2004年 広島大学病院 講師
2006年 長崎大学大学院歯科補綴学分野 教授
(2019年4月~2025年3月 長崎大学歯学部長)
2026年 長崎大学 歯科補綴学分野 特命教授
日本補綴歯科学会指導医・専門医日本老年歯科医学会指導医・専門医
【原田 佳枝先生 略歴】
2000年 九州大学歯学部卒業
2004年 九州大学大学院修了(博士(歯学))
2004年 広島大学病院 咬合・義歯診療科
2009年 広島大学大学院 助教
2016年 鹿児島大学大学院 助教
(2019年 鹿児島大学病院 診療講師)
2024年 長崎大学大学院歯科補綴学分野 准教授
日本補綴歯科学会指導医・専門医日本老年歯科医学会専門医
かつては術者の治療技術の未熟さゆえに患者が義歯安定剤を使用するという否定的な見解が大多数でした。しかしながら近年、義歯安定剤は適切な症例に正しく使用すれば、義歯の管理に有効であるとの見解になっています(米国歯科医師会 2011、日本補綴歯科学会 2000、Oral Health Foundation 2019)。 多くの高齢者が義歯を装着されていますが、以前に比べ難症例が増加していると思われます。原因として高度な骨吸収など義歯の維持・安定に不利な顎堤、糖尿病などの慢性疾患や加齢による唾液分泌量の低下、そして老化に伴う新義歯への順応性の低下が考えられます。このように従来の考え方では対応できない義歯難症例が増加しているため、義歯安定剤の有用性が認識されてきました。
義歯安定剤は作用機序により、唾液の粘性を高め、義歯床と床下粘膜を粘着させる義歯粘着剤〈クリームタイプ、粉末タイプ〉と義歯床と床下粘膜間の不適合の改善をはかるホームリライナー〈クッションタイプ〉に分類されます。本剤の品質はISO規格やJIS規格で規定されており、安全性も確保されています。義歯粘着剤は水溶性高分子化合物を主剤とし、唾液を吸収して高粘度の粘液となり維持力を発揮します。一方、ホームリライナーは酢酸ビニル樹脂を主成分とし、エチルアルコールが含有されています。
本剤は現時点では義歯床での広がりやすさや適切な咬合関係の観点より、ホームリライナーではなく、義歯粘着剤の使用が推奨されています。また義歯安定剤は不適合義歯に使用されるものと認識されているようですが、義歯の適合性が良好であるにもかかわらず、維持力の低い症例(顎堤の形態が不良な症例など)に適用するのが基本的な考え方です。また本剤は患者さんがドラッグストアなどで自由に入手できるため、理解不足による誤使用を防ぐための患者指導がとくに重要となります。
全部床義歯を対象とした本剤の臨床的有効性については、日本義歯ケア学会が行った多施設共同研究(日本大学松戸歯学部、岩手医科大学、東北大学、愛知学院大学、東京科学大学、神奈川歯科大学、鶴見大学、大阪歯科大学、徳島大学、長崎大学、鹿児島大学;プロジェクトリーダー:河相安彦教授)で多くの知見が得られました。一方、部分床義歯に対しても、生活の質の向上、咀嚼機能の向上、食物残渣の侵入を防止する効果なども報告されています。
本セミナーでは義歯安定剤の正しい見解と患者指導、ならびに近年エビデンスが提供され始めた部分床義歯への応用に関する最新の知見を解説させていただきます。
義歯安定剤は作用機序により、唾液の粘性を高め、義歯床と床下粘膜を粘着させる義歯粘着剤〈クリームタイプ、粉末タイプ〉と義歯床と床下粘膜間の不適合の改善をはかるホームリライナー〈クッションタイプ〉に分類されます。本剤の品質はISO規格やJIS規格で規定されており、安全性も確保されています。義歯粘着剤は水溶性高分子化合物を主剤とし、唾液を吸収して高粘度の粘液となり維持力を発揮します。一方、ホームリライナーは酢酸ビニル樹脂を主成分とし、エチルアルコールが含有されています。
本剤は現時点では義歯床での広がりやすさや適切な咬合関係の観点より、ホームリライナーではなく、義歯粘着剤の使用が推奨されています。また義歯安定剤は不適合義歯に使用されるものと認識されているようですが、義歯の適合性が良好であるにもかかわらず、維持力の低い症例(顎堤の形態が不良な症例など)に適用するのが基本的な考え方です。また本剤は患者さんがドラッグストアなどで自由に入手できるため、理解不足による誤使用を防ぐための患者指導がとくに重要となります。
全部床義歯を対象とした本剤の臨床的有効性については、日本義歯ケア学会が行った多施設共同研究(日本大学松戸歯学部、岩手医科大学、東北大学、愛知学院大学、東京科学大学、神奈川歯科大学、鶴見大学、大阪歯科大学、徳島大学、長崎大学、鹿児島大学;プロジェクトリーダー:河相安彦教授)で多くの知見が得られました。一方、部分床義歯に対しても、生活の質の向上、咀嚼機能の向上、食物残渣の侵入を防止する効果なども報告されています。
本セミナーでは義歯安定剤の正しい見解と患者指導、ならびに近年エビデンスが提供され始めた部分床義歯への応用に関する最新の知見を解説させていただきます。
