講演情報
[SY1-3]島根県における認知症患者に対する歯科診療の現状と病院歯科に期待すること
○前田 憲邦1 (1. 一般社団法人島根県歯科医師会)

【略歴】
島根県歯科医師会理事 歯科医師国民年金基金理事 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 日本糖尿病協会登録歯科医師 日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト
島根県歯科医師会理事 歯科医師国民年金基金理事 日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士 日本糖尿病協会登録歯科医師 日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト
「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(認知症基本法)は、2023年6月に成立し、2024年1月1日に施行された。同法では、認知症になっても「何もできなくなる」のではなく、一人ひとりが自分らしく、地域で希望を持って暮らし続けられるという「新しい認知症観」が提唱されている。こうした社会的背景のもと、島根県歯科医師会は、歯科医療を通じた地域共生社会の実現に貢献すべく、2024年より「しまねオレンジデンティスト」事業を開始した。2026年1月25日現在、県内40医院が同事業に参加しており、着実に認知症患者を支える歯科医療ネットワークが広がりつつある。しかし、事業開始当初より、進行した認知症患者への歯科治療に不安を感じるという会員の声が多く寄せられていた。そこで、まず2025年に島根県内の病院歯科16件全てを対象として受け入れ意向調査を実施した。その結果、受け入れ不可および未回答は4件にとどまり、12件が認知症患者の受け入れに応じると回答があった。受け入れ可能な12件の内訳は、歯科治療全般に対応可能が5件(うち1件は紹介時における患者状態の事前連絡を希望)、外科処置のみの対応が7件であった。続いて、2026年3月には島根県歯科医師会会員を対象としたアンケート調査を実施した。本調査では、認知症に関する会員の理解や認識の現状、認知症患者への歯科治療における不安、病院歯科への期待など、認知症診療に関わる項目について広く調査した(対象229件、回答138件、回答率60%)。本発表では、これらの調査結果を報告し、歯科診療所と病院歯科との連携のあり方について、議論を深める機会としたい。
