講演情報
[SY2-3]協働教育の実践と地域展開への示唆―歯学部・家政学部合同実習を事例として―
○大久保 真衣1 (1. 東京歯科大学 口腔健康学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室)

【略歴】
2003年 昭和大学大学院歯学研究科(口腔衛生学専攻)修了
2003年 昭和大学歯学部歯科放射線学教室員外助手
2005年 東京歯科大学歯科放射線学講座助手
2011年 東京歯科大学千葉病院摂食・嚥下リハビリテーション・地域歯科診療支援科講師
2015年 英国クィーンマーガレット大学 研究留学
2017年 東京歯科大学口腔健康科学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室准教授
2023年 東京歯科大学千葉歯科医療センター病院教授
2003年 昭和大学大学院歯学研究科(口腔衛生学専攻)修了
2003年 昭和大学歯学部歯科放射線学教室員外助手
2005年 東京歯科大学歯科放射線学講座助手
2011年 東京歯科大学千葉病院摂食・嚥下リハビリテーション・地域歯科診療支援科講師
2015年 英国クィーンマーガレット大学 研究留学
2017年 東京歯科大学口腔健康科学講座摂食嚥下リハビリテーション研究室准教授
2023年 東京歯科大学千葉歯科医療センター病院教授
地域歯科医療のシステム化を進める上で、個々の歯科医療機関の対応力に依存するのではなく、地域の中で連携し、必要な人に切れ目なく歯科保健医療を提供できる体制の構築が求められている。このシステムを担う人材には、職種の枠を超えた協働の経験と、多様な専門性への理解が必要である。
今日の超高齢社会においてはサルコペニアやフレイル対策が重要である。低栄養は免疫機能を低下させ感染症の発症リスクを高めるとともに、サルコペニアや骨粗鬆症の進行、死亡リスクの増大につながることが報告されている。日本老年歯科医学会は2018年に歯科医師と管理栄養士の協働に関する立場表明を示している。さらに2026年には、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算制度化され、この枠組みの中で歯科と栄養が協働する体制が求められている。 我々は、東京歯科大学(以下、歯学部)学生と大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士養成課程(以下、家政学部)の学生が合同で取り組んだ卒前多職種連携教育の実践し、大学学部の枠にとらわれない協働の教育モデルの可能性と課題を検討することを目的として実施したので報告する。 本学カリキュラム「地域包括ケアと高齢者の歯科診療・食物物性実習」において、歯学部4年生と家政学部2年生が合同で実習を行った。2020年度はコロナ禍によりオンラインで開始し、症例をもとにした合同講義およびPBLを実施した。さらに2022年度より対面実習に移行し、対面実習は前半と後半の2部構成とし、前半では嚥下調整食の実習としてとろみ水・粥・米飯・菜物のミキサー食を作製し、粘度測定を行った。後半では症例を用いたPBLを実施し、介護場面における歯科と栄養管理の課題について検討した。 本実習はアクティブ・ラーニング型授業として位置づけられる。この種の授業は成績への直接的な寄与よりも、自主的・積極的な学習姿勢や人間関係の構築、いわゆる社会人基礎力に相当する能力の獲得に寄与することが報告されている。こうした能力は、地域医療の現場で多職種が協働する上で求められ、本実習は将来の専門職連携実践に向けた教育として有益であると考える。 専門職教育の途中に連携教育を組み込むことで両学部の能力を発展させるとともに、互いの専門職教育の経過を知ることで他職種の専門性への理解が深まり、将来の専門職連携における信頼関係の構築につながると考える。実際に共通の実習課題を通じて、歯学と栄養学それぞれの専門性が補完的に機能する場面が生まれており、本実習はこの観点からも有効な学部、学科を横断した卒前教育といえる。本実習をもとに横断的な展開と、地域・行政との連携による実装化が、2040年を見据えた地域歯科医療システムの人材育成基盤となる可能性が考えられる。
今日の超高齢社会においてはサルコペニアやフレイル対策が重要である。低栄養は免疫機能を低下させ感染症の発症リスクを高めるとともに、サルコペニアや骨粗鬆症の進行、死亡リスクの増大につながることが報告されている。日本老年歯科医学会は2018年に歯科医師と管理栄養士の協働に関する立場表明を示している。さらに2026年には、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算制度化され、この枠組みの中で歯科と栄養が協働する体制が求められている。 我々は、東京歯科大学(以下、歯学部)学生と大妻女子大学家政学部食物学科管理栄養士養成課程(以下、家政学部)の学生が合同で取り組んだ卒前多職種連携教育の実践し、大学学部の枠にとらわれない協働の教育モデルの可能性と課題を検討することを目的として実施したので報告する。 本学カリキュラム「地域包括ケアと高齢者の歯科診療・食物物性実習」において、歯学部4年生と家政学部2年生が合同で実習を行った。2020年度はコロナ禍によりオンラインで開始し、症例をもとにした合同講義およびPBLを実施した。さらに2022年度より対面実習に移行し、対面実習は前半と後半の2部構成とし、前半では嚥下調整食の実習としてとろみ水・粥・米飯・菜物のミキサー食を作製し、粘度測定を行った。後半では症例を用いたPBLを実施し、介護場面における歯科と栄養管理の課題について検討した。 本実習はアクティブ・ラーニング型授業として位置づけられる。この種の授業は成績への直接的な寄与よりも、自主的・積極的な学習姿勢や人間関係の構築、いわゆる社会人基礎力に相当する能力の獲得に寄与することが報告されている。こうした能力は、地域医療の現場で多職種が協働する上で求められ、本実習は将来の専門職連携実践に向けた教育として有益であると考える。 専門職教育の途中に連携教育を組み込むことで両学部の能力を発展させるとともに、互いの専門職教育の経過を知ることで他職種の専門性への理解が深まり、将来の専門職連携における信頼関係の構築につながると考える。実際に共通の実習課題を通じて、歯学と栄養学それぞれの専門性が補完的に機能する場面が生まれており、本実習はこの観点からも有効な学部、学科を横断した卒前教育といえる。本実習をもとに横断的な展開と、地域・行政との連携による実装化が、2040年を見据えた地域歯科医療システムの人材育成基盤となる可能性が考えられる。
