講演情報

[SY5-2]開業歯科医院における口腔機能低下症への対応―歯科衛生士と管理栄養士の連携を通して―

○赤間 愛美1 (1. あかま歯科クリニック)
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【略歴】
2022年3月 九州歯科大学歯学部口腔保健学科卒業
2022年4月 医療法人爽歯会 あかま歯科クリニック入職
九州歯科大学大学院歯学研究科修士課程入学
2025年3月 九州歯科大学大学院歯学研究科修士課程修了
口腔機能低下症は、高齢者のQOLや全身状態に影響を及ぼす重要な病態であり、早期の評価と適切な対応が求められている。超高齢社会が進行する中で、高齢者の健康維持とフレイル予防は大きな課題となっている。フレイルは要介護状態に至る前段階であり、身体的・精神的・社会的な側面を含む多面的な概念である。適切な予防や対応により可逆性を有することが特徴とされており、その主要な発症因子の一つに低栄養が挙げられる。高齢者においては、口腔機能の低下がフレイルと強く関連していることから、口腔機能の維持を通じた早期の介入が重要である。その中でも口腔機能の維持は重要な役割を担っている。口腔機能の低下は低栄養やオーラルフレイルとも密接に関連していることから、歯科医療の現場において継続的な介入や支援が求められる。特に、歯科医院においても栄養状態に着目した支援の重要性は高まっており、口腔機能への介入とあわせて栄養面からの関わりが求められている。 口腔機能低下症への対応は、大学病院を中心に体系化が進められている一方で、地域開業歯科医院では十分に浸透しているとは言い難い。こうした背景を踏まえ、地域歯科医療において歯科衛生士が口腔機能評価や訓練、さらには栄養面への支援を行い、日常診療の中で患者を包括的に支えていく意義は大きい。 本発表では、地域開業歯科医院である「あかま歯科クリニック」において、歯科衛生士が実践している口腔機能低下症への対応について紹介する。当院では、口腔機能評価に基づき、患者個々の状態に応じた口腔機能訓練を歯科衛生士が継続的に実施している。さらに、口腔機能の向上には口腔機能訓練のみならず栄養面からの支援も重要であるが、歯科医療従事者のみで栄養指導を十分に行うことは困難な場合もあり、管理栄養士との連携が重要となる。そこで、口腔機能低下と栄養状態との関連に着目し、食事内容の聞き取りや食品摂取の多様性スコア(Dietary Variety Score:DVS)を用いた評価を行い、必要に応じて管理栄養士と連携した栄養指導を行っている。こうした取り組みにより、口腔機能だけでなく、食生活や生活背景を含めた多角的な視点から患者を捉えるよう努めている。 本発表では、介入事例を通じて、歯科衛生士が担う口腔機能評価、口腔機能訓練、ならびに管理栄養士による栄養指導との連携の実際について報告する。さらに、地域開業歯科医院という身近な医療の場において、歯科衛生士が継続的に関わりながら患者を支える口腔健康管理の役割と、多職種連携の意義について考察する。