講演情報

[SY8-1]令和8年度診療報酬における老年歯科診療関連の改定事項

○田上 真理子1 (1. 厚生労働省 医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室)
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【略歴】
2010年3月 鹿児島大学歯学部 卒業
2011年3月 東京科学大学(旧東京医科歯科大学)歯学部附属病院 臨床研修修了
2015年3月 同大学大学院医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野 博士課程修了
2015年4月 同大学歯学部附属病院 高齢者歯科学分野 医員
2018年4月 厚生労働省入省。老健局老人保健課、医政局歯科保健課などで歯科行政に従事
2022年4月 長野県庁へ出向
2025年4月 厚生労働省保険局医療課 課長補佐 令和8年度診療報酬改定に携わる
2026年4月 同省医政局歯科保健課 歯科口腔保健推進室 室長補佐(現職)
2040年頃、生産年齢人口は減少するものの、医療・介護の複合ニーズを有する85歳以上人口が増加していくことが見込まれている。こうした人口構造や地域ごとの状況の変化に対応するため、限りある医療資源を最適化・効率化しながら、医療機関の役割分担を明確化し、地域の医療提供体制を構築する必要がある。
この基本認識のもと、国は、令和8年度診療報酬改定に当たっての基本的視点の一つとして、「2040年頃を見据えた医療機関の機能の分化・連携と地域における医療の確保、地域包括ケアシステムの推進」を示した。そして、これを実現するための具体的な方向性として、
①かかりつけ歯科医の機能の評価
②質の高い在宅歯科医療の確保
③リハビリテーション・栄養管理・口腔管理等の高齢者の生活を支えるケアの推進
などを掲げている。
今回は老年歯科診療の観点から、この3項目を念頭に見直された診療報酬の概要について説明する。
◆「かかりつけ歯科医による口腔機能管理の充実」
かかりつけ歯科医による歯科疾患・口腔機能の管理等といった生活の質に配慮した歯科医療を推進するため、口腔機能管理料の評価や対象となる患者等を見直した。
具体的には、学会の診断基準により口腔機能低下症と診断されている患者のうち、以前より対象としている検査を算定している患者については、口腔機能管理料1として評価し、90点に引き上げた。
また、1に該当しないが口腔機能低下症と診断された患者を新たに対象とし、口腔機能管理料2として評価し、50点を設定した。
さらに、口腔粘膜湿潤度検査について評価を新設し、口腔機能管理料1の算定要件の検査項目に本検査を追加した。
なお、口腔機能の指導も充実させるため、歯科衛生実地指導料の加算であった口腔機能指導加算を、口腔機能実地指導料として新設した。
◆「質の高い在宅歯科医療の提供の推進」 
在宅で療養する患者に対する歯科訪問診療を充実させる観点から、在宅療養支援歯科診療所及び在宅療養支援歯科病院における歯科訪問診療1を実施した場合の加算を100点又は50点として新設した。
在宅歯科栄養サポートチーム等連携指導料について、多職種連携や効率的・効果的な在宅歯科医療を確保する観点から、自宅での療養を行っている患者を対象とした4の新設や、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士による指導の実施も可能とするなど、見直しを行った。
◆「入院患者の口腔管理における医科歯科連携の推進」
医科歯科連携を推進し入院患者の口腔管理を充実させる観点から、連携を行っている歯科標榜のない病院等の依頼により、入院患者に歯科訪問診療を実施した場合、歯科訪問診療料の加算として、医科連携訪問加算500点を新設した。施設基準では、病院と予め歯科訪問診療の依頼を受ける方法について取り決めているなどの連携を要件とした。なお、医科点数表において、本加算に連動する口腔管理連携加算を新設した。