講演情報
[SY8-2]令和8年度歯科診療報酬改定と病院歯科
○大野 友久1 (1. 医療法人永寿会 陵北病院)

【略歴】
1998年 東京医科歯科大学歯学部 卒業
2001年 聖隷三方原病院リハビリテーション科歯科 勤務
2002年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 卒業
2013年 聖隷三方原病院歯科 部長
2015年 国立長寿医療研究センター歯科口腔外科 勤務
2017年 国立長寿医療研究センター 室長
2019年 浜松市リハビリテーション病院歯科 部長
2024年 陵北病院 歯科診療部長
1998年 東京医科歯科大学歯学部 卒業
2001年 聖隷三方原病院リハビリテーション科歯科 勤務
2002年 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 卒業
2013年 聖隷三方原病院歯科 部長
2015年 国立長寿医療研究センター歯科口腔外科 勤務
2017年 国立長寿医療研究センター 室長
2019年 浜松市リハビリテーション病院歯科 部長
2024年 陵北病院 歯科診療部長
まず断っておくと、病院歯科に関わる令和8年度歯科診療報酬改定については、いくつかのマイナーチェンジと診療所・病院歯科共通の改訂事項や口腔外科領域の改定事項はあるが、老年歯科診療領域が影響を受ける内容はほとんどなかった。マイナーチェンジは、周術期・回復期等口腔機能管理の管理計画変更の際に150点がついたことである。
一方、歯科のない病院から歯科訪問診療を依頼することで、病院医科に600点、歯科訪問診療に500点を新たに算定できることとなった。これは医科歯科連携推進の観点からは非常によい改定ではあるが、病院歯科の発展を妨げる可能性がある。日本には歯科が無い病院が多いのは確かであり、それらの病院に口腔健康管理を普及させるために、歯科訪問診療で対応することは即時性がありもちろん有効だろう。しかし、今回の改定で歯科訪問診療の活用は医科の直接的な増収につながることとなり、厳しい経営状況の中で病院経営者は、歯科を院内にわざわざ開設しなくてもよいという考え方や、あるいは現在開設されている病院歯科を廃止して歯科訪問診療に切り替える、という極端な考え方にも傾きかねない。そもそも、病院歯科と歯科訪問診療は並列ではなく、もたらす歯科医療の量も質も段違いに異なる。しかし、この視点を持つ「賢い経営者」は残念ながら少ないだろう。本当に医科歯科連携を推進したいのであれば、病院歯科と歯科訪問診療の両輪で推進すべきである。今回の点数だけでは片輪走行であり、しかももう片方の車輪を壊してしまう危険性を孕んでいる。院内の病院歯科への紹介でも、医科側に加点ができるようになることが妥当であると考える。
また、病院歯科のレセプト1枚当たりの診療報酬の問題もある。全国病院歯科医協会で調査した結果では、病院歯科に勤務する責任者162人のうち、約4割が集団的個別指導や個別指導の対象となることを避けるために、なんらかの算定控えをしていることが明らかになった。病院歯科関連の診療報酬があっても、実際に算定されないのであれば意味がなくなってしまう。診療録を正しく書き、仮に個別指導の対象となっても問題ない状況にしておく、ということはたしかに正論である。しかし、指導される、呼び出されることは決して快いものではなく、また歯科だけではなく病院事務などにも時間的負担が発生するため、なるべく避けたいのが実情である。病院と診療所は役割が異なるため、基準も異なるものにする必要性があるだろう。
病院歯科は地域の歯科医療の中核を担うべき組織であり、また高齢社会において質の高い医科歯科連携を推進するためにも必要である。しかし、現状では診療報酬の問題だけでなく、人材、教育などさまざまな問題が山積しておいる。高齢社会がピークを迎える前に、今のうちからできる限り多方面の改善が必要である。
一方、歯科のない病院から歯科訪問診療を依頼することで、病院医科に600点、歯科訪問診療に500点を新たに算定できることとなった。これは医科歯科連携推進の観点からは非常によい改定ではあるが、病院歯科の発展を妨げる可能性がある。日本には歯科が無い病院が多いのは確かであり、それらの病院に口腔健康管理を普及させるために、歯科訪問診療で対応することは即時性がありもちろん有効だろう。しかし、今回の改定で歯科訪問診療の活用は医科の直接的な増収につながることとなり、厳しい経営状況の中で病院経営者は、歯科を院内にわざわざ開設しなくてもよいという考え方や、あるいは現在開設されている病院歯科を廃止して歯科訪問診療に切り替える、という極端な考え方にも傾きかねない。そもそも、病院歯科と歯科訪問診療は並列ではなく、もたらす歯科医療の量も質も段違いに異なる。しかし、この視点を持つ「賢い経営者」は残念ながら少ないだろう。本当に医科歯科連携を推進したいのであれば、病院歯科と歯科訪問診療の両輪で推進すべきである。今回の点数だけでは片輪走行であり、しかももう片方の車輪を壊してしまう危険性を孕んでいる。院内の病院歯科への紹介でも、医科側に加点ができるようになることが妥当であると考える。
また、病院歯科のレセプト1枚当たりの診療報酬の問題もある。全国病院歯科医協会で調査した結果では、病院歯科に勤務する責任者162人のうち、約4割が集団的個別指導や個別指導の対象となることを避けるために、なんらかの算定控えをしていることが明らかになった。病院歯科関連の診療報酬があっても、実際に算定されないのであれば意味がなくなってしまう。診療録を正しく書き、仮に個別指導の対象となっても問題ない状況にしておく、ということはたしかに正論である。しかし、指導される、呼び出されることは決して快いものではなく、また歯科だけではなく病院事務などにも時間的負担が発生するため、なるべく避けたいのが実情である。病院と診療所は役割が異なるため、基準も異なるものにする必要性があるだろう。
病院歯科は地域の歯科医療の中核を担うべき組織であり、また高齢社会において質の高い医科歯科連携を推進するためにも必要である。しかし、現状では診療報酬の問題だけでなく、人材、教育などさまざまな問題が山積しておいる。高齢社会がピークを迎える前に、今のうちからできる限り多方面の改善が必要である。
