講演情報
[優秀P衛生-4]口腔機能管理を軸とした多職種連携による高齢心不全患者の1例
○馬場 めぐみ1、室田 弘二1、寺尾 導子2 (1. 医療法人臨生会 名寄歯科医院、2. 医療法人臨生会 吉田歯科分院)
【緒言・目的】
心不全は,心臓の構造的・機能的異常により症状や運動耐容能の低下を呈する症候群であり,合併症を含む非心臓的要因が病態や予後に大きく影響する。特に高齢心不全患者では,栄養状態や口腔機能の低下が病態や予後に関与することが知られており,口腔機能を基盤とした食事療法が重要である。
今回われわれは,歯科外来通院中に心不全増悪により急性期病院へ入院し,その後,在宅療養へ移行した高齢心不全患者に対し,歯科訪問診療を通じて継続的に支援した症例を経験した。生活の場が変化し,関わるスタッフが変わっても多職種連携を継続した結果,口腔機能の維持と心不全の重症化予防につながり,自宅での安定した療養生活が可能であったため報告する。
【症例および経過】
86歳,男性。2024年〇月,義歯不適合を主訴に当院初診。既往歴はアルコール性慢性膵炎,前立腺癌,高血圧症であった。歯周基本検査および口腔機能精密検査を実施し,咀嚼能力は90mg/dlであった。歯科衛生士が口腔衛生管理および口腔機能管理を軸とした歯科衛生計画を立案し,歯周病治療と並行して抜歯,歯冠修復,義歯による補綴修復を行い,口腔機能訓練を継続した。2025年〇月,心不全増悪の診断で市内基幹病院循環器内科へ入院した。入院中は看護師,管理栄養士など多職種と連携し,口腔機能訓練を継続した。心不全多職種カンファレンスに参加し,口腔機能維持の重要性を共有した。退院調整時には,ソーシャルワーカーより在宅での歯科訪問診療について相談を受け,介護認定調査と歯科介入継続を勧めた。要介護2で自宅退院後,居住地域の病院へ再入院したが,歯科訪問診療を継続し,病棟看護師と連携した。自宅退院後はケアマネジャー,訪問看護師と連携して支援した。咀嚼能力は236mg/dlに改善し,家族からは在宅療養における食事への不安軽減が得られた。
なお,本報告について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
歯科外来から入院,在宅へと生活の場が変化する中においても,歯科衛生士が立案した歯科衛生計画を多職種と情報を共有し,介入内容を調整したことが口腔機能の維持・改善につながったと考えられた。歯科衛生士が歯科衛生計画を基盤に外来・病院・在宅をつなぐ役割を担うことは,高齢心不全患者の重症化予防および在宅療養の安定に寄与する可能性が示唆された。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)
心不全は,心臓の構造的・機能的異常により症状や運動耐容能の低下を呈する症候群であり,合併症を含む非心臓的要因が病態や予後に大きく影響する。特に高齢心不全患者では,栄養状態や口腔機能の低下が病態や予後に関与することが知られており,口腔機能を基盤とした食事療法が重要である。
今回われわれは,歯科外来通院中に心不全増悪により急性期病院へ入院し,その後,在宅療養へ移行した高齢心不全患者に対し,歯科訪問診療を通じて継続的に支援した症例を経験した。生活の場が変化し,関わるスタッフが変わっても多職種連携を継続した結果,口腔機能の維持と心不全の重症化予防につながり,自宅での安定した療養生活が可能であったため報告する。
【症例および経過】
86歳,男性。2024年〇月,義歯不適合を主訴に当院初診。既往歴はアルコール性慢性膵炎,前立腺癌,高血圧症であった。歯周基本検査および口腔機能精密検査を実施し,咀嚼能力は90mg/dlであった。歯科衛生士が口腔衛生管理および口腔機能管理を軸とした歯科衛生計画を立案し,歯周病治療と並行して抜歯,歯冠修復,義歯による補綴修復を行い,口腔機能訓練を継続した。2025年〇月,心不全増悪の診断で市内基幹病院循環器内科へ入院した。入院中は看護師,管理栄養士など多職種と連携し,口腔機能訓練を継続した。心不全多職種カンファレンスに参加し,口腔機能維持の重要性を共有した。退院調整時には,ソーシャルワーカーより在宅での歯科訪問診療について相談を受け,介護認定調査と歯科介入継続を勧めた。要介護2で自宅退院後,居住地域の病院へ再入院したが,歯科訪問診療を継続し,病棟看護師と連携した。自宅退院後はケアマネジャー,訪問看護師と連携して支援した。咀嚼能力は236mg/dlに改善し,家族からは在宅療養における食事への不安軽減が得られた。
なお,本報告について患者本人から文書による同意を得ている。
【考察】
歯科外来から入院,在宅へと生活の場が変化する中においても,歯科衛生士が立案した歯科衛生計画を多職種と情報を共有し,介入内容を調整したことが口腔機能の維持・改善につながったと考えられた。歯科衛生士が歯科衛生計画を基盤に外来・病院・在宅をつなぐ役割を担うことは,高齢心不全患者の重症化予防および在宅療養の安定に寄与する可能性が示唆された。
(COI開示:なし)
(倫理審査対象外)
