講演情報
[優秀P一般-1]歯科外来高齢患者における口腔機能と転倒および下肢傷害リスクとの関連性
○久岡 白石1、水谷 慎介2,3、谷 明日香3、柏﨑 晴彦3 (1. 九州大学大学院歯学府高齢者歯科学・全身管理歯科学分野、2. 九州大学大学院歯学研究院附属OBT研究センター、3. 九州大学大学院歯学研究院高齢者歯科学・全身管理歯科学分野)
【目的】要介護となった主原因として「転倒・骨折」は13.9%を占めており,転倒予防は重要な保健医療課題である。本研究の目的は,歯科外来受診高齢者における口腔機能と転倒および下肢傷害リスクとの関連を明らかにすることであった。
【方法】2023年9月~2025年3月に九州大学病院高齢者歯科・全身管理歯科へ通院し,定期的口腔管理を受けている患者76名を対象とした。口腔機能評価として,残存歯数,咬合圧(デンタルプレスケールⅡ),舌圧,咀嚼能力(キシリトール咀嚼チェックガム)を測定した。また,全身状態の把握としてBMI,体脂肪指数(FMI),骨格筋量指数(SMI),低筋量の有無を評価した。転倒リスクはStanding test for Imbalance and Disequilibrium(SIDE),下肢傷害リスクは足底圧分布計測システム(Footscan Advanced system)により評価した。リスク分類ごとに項目比較を行い,さらに年齢を調整因子としたロジスティック回帰分析を実施した。
【結果と考察】 対象者の年齢中央値は74.0歳,男性34名(44.7%)であった。下肢傷害リスク分類はhigh 7名,medium 20名,low 49名であり,high群ではBMI(Kruskal-Wallis,p=0.013)およびFMI(p<0.001)が有意に低く,咬合圧左右差(絶対値)が大きかった(p=0.005)。また,咬合圧左右差(絶対値)は,post-hoc test(Bonferroni補正)にて,high>medium>lowの順で増大する傾向を示した。SIDEによる転倒リスク判定では,高リスク群(n=12)において低筋量者の割合が有意に高く(カイ二乗検定,p=0.022),咀嚼能力低下を認めた(Mann–Whitney U test,p=0.035)。ロジスティック回帰分析では,低筋量(OR=5.999,95%CI:1.299–27.709)および咀嚼能力(OR=0.526,95%CI:0.301–0.919)が独立した関連因子であった。 本研究により,歯科外来受診高齢者において口腔機能の低下は転倒・下肢傷害リスクと関連する可能性が示された。
(COI開示:なし)(九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会承認番号22205-00)
【方法】2023年9月~2025年3月に九州大学病院高齢者歯科・全身管理歯科へ通院し,定期的口腔管理を受けている患者76名を対象とした。口腔機能評価として,残存歯数,咬合圧(デンタルプレスケールⅡ),舌圧,咀嚼能力(キシリトール咀嚼チェックガム)を測定した。また,全身状態の把握としてBMI,体脂肪指数(FMI),骨格筋量指数(SMI),低筋量の有無を評価した。転倒リスクはStanding test for Imbalance and Disequilibrium(SIDE),下肢傷害リスクは足底圧分布計測システム(Footscan Advanced system)により評価した。リスク分類ごとに項目比較を行い,さらに年齢を調整因子としたロジスティック回帰分析を実施した。
【結果と考察】 対象者の年齢中央値は74.0歳,男性34名(44.7%)であった。下肢傷害リスク分類はhigh 7名,medium 20名,low 49名であり,high群ではBMI(Kruskal-Wallis,p=0.013)およびFMI(p<0.001)が有意に低く,咬合圧左右差(絶対値)が大きかった(p=0.005)。また,咬合圧左右差(絶対値)は,post-hoc test(Bonferroni補正)にて,high>medium>lowの順で増大する傾向を示した。SIDEによる転倒リスク判定では,高リスク群(n=12)において低筋量者の割合が有意に高く(カイ二乗検定,p=0.022),咀嚼能力低下を認めた(Mann–Whitney U test,p=0.035)。ロジスティック回帰分析では,低筋量(OR=5.999,95%CI:1.299–27.709)および咀嚼能力(OR=0.526,95%CI:0.301–0.919)が独立した関連因子であった。 本研究により,歯科外来受診高齢者において口腔機能の低下は転倒・下肢傷害リスクと関連する可能性が示された。
(COI開示:なし)(九州大学医系地区部局観察研究倫理審査委員会承認番号22205-00)
