講演情報

[優秀P一般-5]回復期リハビリテーション病棟における歯科訪問診療の効果

○北詰 栄里1,2,3、田中 公美4,5、宮下 直也4,5、富田 浩子4、渡辺 美樹4、水越 新人4、縄稚 久美子6、前田 あずさ6、窪木 拓男6、菊谷 武4,5 (1. 日本医科大学武蔵小杉病院 口腔科、2. 日本歯科大学附属病院 口腔外科、3. 岡山大学医歯薬学総合研究科 機能再生・再建科学専攻 インプラント再生補綴学講座、4. 日本歯科大学 口腔リハビリテーション多摩クリニック、5. 日本歯科大学附属病院 口腔リハビリテーション科、6. 岡山大学学術研究院 医歯薬学域 インプラント再生補綴学分野)
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【目的】
 回復期リハビリテーション病棟入院中の患者は,口腔内の問題が高頻度にあり,全身機能に影響を及ぼすことが知られている。したがって本研究では,回復期リハビリテーション病棟に入院している患者を対象に歯科介入を行い,歯科治療によって得られた口腔機能の回復と,入院時・退院時の摂食機能や身体機能との関連を検討した。
【方法】
 東京都内の回復期リハビリテーション病棟に入院した患者全員に入院時に口腔内診査を行い,問題のある者に対し歯科治療の勧奨を行い,同意が得られた者に対し歯科治療を実施した。そのうち基準を満たした170名を研究対象とした。身体機能の評価には機能的自立度評価尺度(FIM),摂食機能の評価には摂食嚥下状況のレベル(FILS)を用いた。口腔機能として,咬合状態の評価はアイヒナー分類を用い,口腔健康状態はOHAT-Jで評価した。舌圧は最大舌圧を測定した。栄養状態はBody Mass Index(BMI)値を算出した。
【結果・考察】
 入院原因疾患は,骨折94名(55.3%),脳血管疾患49名(28.8%),その他27名(15.9%)であった。入院期間の中央値は74.5日であり,退院先は自宅が109名(64.1%)であった。入院時FIMの中央値は68点で,入院時FILSの中央値はレベル8であった。歯科治療の必要がなかった者は48名,治療が必要であったが同意が得られず治療を行わなかった者が42名,歯科治療を行った者が80名,治療回数はのべ170回であった。入院時から退院時において,FIM・FILSには有意な改善を認めた。義歯を装着した状態の咬合状態は,B3以上の咬合崩壊群であった52名中31名は義歯新製や修理・調整により使用可能となり,咬合改善群が有意に増加した。OHAT-Jでも有意な改善がみられ,舌圧も有意に増加した。退院時FIMは,入院期間・入院時FIMと独立して,退院時FILS・退院時舌圧と有意な関連を示した。退院時FILSは,退院時FIMに独立して,年齢・退院時アイヒナー分類と有意に関係があった。本研究の結果から,歯科介入は摂食機能の改善だけでなく,身体機能の改善にも影響を与える可能性が示され,回復期における歯科介入の重要性が明らかとなった。
(COI 開示:なし)
(日本歯科大学倫理審査委員会承認番号: NDU-T2022-46, 47)