会長挨拶
第28回日本救急看護学会学術集会
会長 河合 正成
(岐阜県立看護大学 機能看護学領域)
皆さん、こんにちは。
第28回日本救急看護学会学術集会の会長を務めます、河合正成です。
このたび、第28回日本救急看護学会学術集会を、“2026年11月6日(金)・7日(土)”の2日間、“長良川国際会議場/都ホテル岐阜長良川(岐阜市)”において開催することになりました。この岐阜の地で皆さまをお迎えできることを、心より嬉しく思います。
私たち日本救急看護学会は、国民の保健・医療・福祉に寄与することを目的として設立され、救急看護の進歩・発展・普及に努めてまいりました。設立から28年、現在では4,000人を超える会員とともに、救急看護の成果発信をはじめ、教育プログラムの開発や救急看護師の育成など、各委員会を中心に活発な活動を展開しています。より質の高い救急看護実践を目指し、これからも努力を重ねていきます。
今回のテーマは、“救急看護の原点を探る”です。看護の世界に飛び込み、救急の現場で患者さんやその家族と向き合う日々の中で、私たちは常に「目の前の命を救うこと」に全力を注いできました。しかし、この数年で社会は大きく変化しました。AIやロボット技術の進化により医療のあり方は多様化し、便利な世の中になったからこそ、「そもそも、私たちは何のために看護をしているのだろう?」と、立ち止まって考える瞬間があるのではないでしょうか。
技術や知識の向上はもちろん大切です。けれども、患者さんの不安な心に寄り添い、そっと手を握る——そんな“人にしかできない温かい看護”こそが、私たちの仕事の原点だと私は信じています。
この学術集会では、皆さん一人ひとりが日々の忙しさから少し離れ、この原点に立ち返るための時間を過ごしていただければと思います。
「発表って大変そう…」「自分の研究なんて大したことない」そう思っている方もいらっしゃるかもしれません。実は、私もそんな一人です。たくさんの苦労を重ねて発表しても、その想いが聞き手に100%伝わるか不安になることがありますよね。
だからこそ、今回は皆さんを全力でサポートする学術集会を目指しています。
皆さんが聞きたい発表テーマにおいて、ご自身の研究や看護実践の報告がどのセッションに合うのかをよりスムーズに見つけられるように“迷わないカテゴライズ”にする工夫をしました。
さらに、“初めての発表者向けセッション”や“看護実践報告セッション”など、経験を問わず安心して参加できる場も設けています。どんな小さな気づきも、明日からの看護を変える大きな一歩になるはずです。先輩に誘われて参加した後輩も、この場で「自分もやってみたい」と思えるような報告に出会えることでしょう。
また今回は、看護業界の枠を超えて、多様な分野で活躍されているゲスト講師をお招きする予定です。私たちとは異なる視点や価値観から学ぶことは、新たな発見や刺激となり、きっと大きな財産になるでしょう。たった60分間の講演でも、その内容には大きな価値があり、新しい風を感じ取っていただけるはずです。これからの複雑な社会を生き抜くためには、医療職種のみならず、多様な人々と連携していくことが不可欠です。この学術集会が、そうした“あたりまえを超えていくマインド”を育むきっかけとなることを願っています。
この学術集会が、皆さんの心に残る二日間となるよう、心を込めて準備を進めています。「行ってみたい!」と思っていただけたら幸いです。
会場でお会いできることを、心より楽しみにしています。

