講演情報
[O1-2]COVID-19パンデミック前後の在宅等看取り割合の構造的変化とその関連因子:多施設在宅診療クリニックにおける大規模個票データ分析
林 伸宇1,2 (1.医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニック平和台, 2.医療法人社団鉄祐会)
【目的】 日本の在宅医療において、COVID-19パンデミックが看取りの場に及ぼした影響を評価する。本研究は、パンデミック前(2019年)、パンデミック期(2020~2022年)、ポストパンデミック期(2023~2024年)の在宅等(自宅+施設)看取り割合の推移を比較し、その持続的な構造変化および関連する患者背景因子を明らかにすることを目的とする。
【方法】 2019~2024年に東京都・宮城県の複数在宅診療クリニックで死亡した患者2,915名の診療記録を後方視的に分析した。主要アウトカムは在宅等看取り割合(自宅+施設死亡/総死亡)とし、ロジスティック回帰分析(n=2,789)で年次区分と患者特性(年齢、疾患、同居状況、認知度、要介護度など)との関連を検討した。欠測値は多重代入法(MI)で処理し、頑健性を確認した。本研究は、施設倫理委員会(承認番号 T21-1-1)の承認を得て、オプトアウト方式で実施された。
【結果】 在宅等看取り割合は、2019年の57.4%からパンデミック期66.6%を経て、ポストパンデミック期69.3%まで持続的に上昇した。上昇を促進した因子は、悪性腫瘍(OR 2.06)、寝たきり度、認知機能、要介護度の高さ、高齢であった。一方、独居(単身生活)は有意に低下させる因子であった(OR 0.68, p=0.001)。
【考察】 在宅看取り率の高止まりは、パンデミックによる医療環境の変化が、日本の地域包括ケアシステム(CBICS)という制度基盤の成熟によって構造的な変化に繋がったことを示唆する。しかし、独居患者の看取り率の低さは、家族や介護力といったインフォーマルな資源の不足が依然として在宅看取りの大きな障壁であることを示しており、介護力が脆弱な世帯への重点的な多職種支援の必要性が示された。
【方法】 2019~2024年に東京都・宮城県の複数在宅診療クリニックで死亡した患者2,915名の診療記録を後方視的に分析した。主要アウトカムは在宅等看取り割合(自宅+施設死亡/総死亡)とし、ロジスティック回帰分析(n=2,789)で年次区分と患者特性(年齢、疾患、同居状況、認知度、要介護度など)との関連を検討した。欠測値は多重代入法(MI)で処理し、頑健性を確認した。本研究は、施設倫理委員会(承認番号 T21-1-1)の承認を得て、オプトアウト方式で実施された。
【結果】 在宅等看取り割合は、2019年の57.4%からパンデミック期66.6%を経て、ポストパンデミック期69.3%まで持続的に上昇した。上昇を促進した因子は、悪性腫瘍(OR 2.06)、寝たきり度、認知機能、要介護度の高さ、高齢であった。一方、独居(単身生活)は有意に低下させる因子であった(OR 0.68, p=0.001)。
【考察】 在宅看取り率の高止まりは、パンデミックによる医療環境の変化が、日本の地域包括ケアシステム(CBICS)という制度基盤の成熟によって構造的な変化に繋がったことを示唆する。しかし、独居患者の看取り率の低さは、家族や介護力といったインフォーマルな資源の不足が依然として在宅看取りの大きな障壁であることを示しており、介護力が脆弱な世帯への重点的な多職種支援の必要性が示された。
