講演情報

[O1-5]宗教家が訪問診療と連携し活動するための意識調査

西井 賢俊, 勅使川原 学, 板舛 笑果, 山下 歩, 林 佑哉, 武藤 英貴, 藤谷 好紀, 能勢 悠介, 柳澤 克哉, 菅原 信行, 田中 裕子, 山田 寿美, 守上 佳樹 (医療法人双樹会よしき往診クリニック)
【目的】本研究では、宗教的背景を持たない訪問診療の施設を対象に、宗教家に対する印象、スピリチュアルケアへの認識を明らかにし、宗教家が訪問診療と連携するための課題を明らかにすることを目的とした。
【方法】当法人にて訪問診療に携わる職員79名を対象に、無記名質問紙調査を実施した。調査項目は、基本属性、宗教家との協働経験、協働に対する賛否、スピリチュアルケアに対する認識、臨床宗教師の認知度、宗教家に期待する役割・期待しない役割とした。本研究は当法人の倫理委員会の承認(承認番号SJ-EC-2025-06)得て実施した。
【結果】有効回答は51名(回収率64.6%)であった。年齢は40代が最多(47.1%)で、職種は医師47.1%、訪問診療同行スタッフ27.5%、医療事務7.8%であった。宗教家との協働経験が「ある」と回答した者は15.7%で、協働に「賛成」は56.9%、「わからない」は39.2%であった。スピリチュアルケアを「重要」と認識している回答は94.1%であった。臨床宗教師を「知っている」と回答した者は19.6%であった。宗教家に期待する役割としては「患者・家族のこころのケア」(86.3%)が最も多く、期待しない役割は「職員への布教」(68.6%)および「患者・家族への布教」(64.7%)であった。
【考察】宗教家との協働に対して「わからない」の回答が半数弱と多く、臨床宗教師という存在自体が認知されていないことから、訪問診療における宗教家はその具体的な役割が理解されていないことが示唆された。今後の訪問診療の現場における宗教家の関わり方としては、宗教家(臨床宗教師)が担うことのできる役割や支援内容を明確に提示し、医療職との相互理解を促進を図ることが重要であると考えられる。