講演情報
[O10-4]パラレルな場での集団作業療法から捉える認知症の人の主体性〜重度認知症デイケアでの実践〜
金生 浩司 (医療法人すずらん会 たろうクリニック)
【はじめに】
重度認知症デイケアは、認知症の人の地域生活を支える機能として、医療的な安全管理や精神症状の緩和を目的とした支援に加え、他者との関係性を支える役割も担っている。しかし、認知機能障害の進行の度合いによっては、周囲との関係性の形成や維持がどのように行われるのかは課題となりやすい。当院の重度認知症デイケアで実施するパラレルな場での集団作業療法について報告し、認知症のその人ごとの意思や選好、主体性や自発性をどのように捉えるのか、他者との関係性にどのように開かれるかを検討する。
【活動】当院重度認知症デイケアでは、プログラムの中の一つとして、パラレルな場での集団作業療法を実施している。同一空間にいながら、それぞれの利用者が編み物、裁縫、木工、絵画など多種の作業活動を選択し、それに没頭できるよう支援する環境が準備されている。活動を行う・行わないを含めて自由な選択であるため、活動を行わずにその場に留まり、他の利用者の活動を眺めて過ごす利用者もいる。前頭側頭型認知症の利用者は、導入期には着席が困難であったが、場で過ごす経験を重ねる中で次第に安定し、活動の有無に関わらず落ち着いて過ごせるようになった。アルツハイマー型認知症の利用者では、活動への積極的な参加は乏しいものの、他利用者の活動を観察し、裁縫の手伝いを行うなどその人なりの関わりが認められた。
【考察】パラレルな場での集団作業療法では、活動参加を前提としない環境を準備するが、活動を行う・行わないという選択がその人の主体的な意思表示として大切にされ、作業に没入している他者を同じ空間で観察するうちに、彼らに協力しようとする働きかけが自発的に生じてくる。安心感を基盤に場への定着を促し相互の関係性を自ずと生じさせるこのような実践は、認知症の人の地域生活を側面から支える役割を果たしている。
重度認知症デイケアは、認知症の人の地域生活を支える機能として、医療的な安全管理や精神症状の緩和を目的とした支援に加え、他者との関係性を支える役割も担っている。しかし、認知機能障害の進行の度合いによっては、周囲との関係性の形成や維持がどのように行われるのかは課題となりやすい。当院の重度認知症デイケアで実施するパラレルな場での集団作業療法について報告し、認知症のその人ごとの意思や選好、主体性や自発性をどのように捉えるのか、他者との関係性にどのように開かれるかを検討する。
【活動】当院重度認知症デイケアでは、プログラムの中の一つとして、パラレルな場での集団作業療法を実施している。同一空間にいながら、それぞれの利用者が編み物、裁縫、木工、絵画など多種の作業活動を選択し、それに没頭できるよう支援する環境が準備されている。活動を行う・行わないを含めて自由な選択であるため、活動を行わずにその場に留まり、他の利用者の活動を眺めて過ごす利用者もいる。前頭側頭型認知症の利用者は、導入期には着席が困難であったが、場で過ごす経験を重ねる中で次第に安定し、活動の有無に関わらず落ち着いて過ごせるようになった。アルツハイマー型認知症の利用者では、活動への積極的な参加は乏しいものの、他利用者の活動を観察し、裁縫の手伝いを行うなどその人なりの関わりが認められた。
【考察】パラレルな場での集団作業療法では、活動参加を前提としない環境を準備するが、活動を行う・行わないという選択がその人の主体的な意思表示として大切にされ、作業に没入している他者を同じ空間で観察するうちに、彼らに協力しようとする働きかけが自発的に生じてくる。安心感を基盤に場への定着を促し相互の関係性を自ずと生じさせるこのような実践は、認知症の人の地域生活を側面から支える役割を果たしている。
