講演情報
[O11-1]どうすれば在宅輸血をしようという意識に改革できるのか―京都府での訪問看護ステーションアンケート調査よりー
田中 裕子, 勅使川原 学, 西井 賢俊, 板舛 笑果, 山下 歩, 林 佑哉, 武藤 英貴, 藤谷 好紀, 能勢 悠介, 柳澤 克哉, 菅原 信行, 山田 寿美, 守上 佳樹 (医療法人双樹会よしき往診クリニック)
【目的】京都府内の訪問看護ステーションを対象としたアンケート調査を通じて、在宅輸血に対する意識とその関連要因を明らかにし、意識改革および導入促進に向けた方策を検討することを目的とした。【方法】2025年5月時点で京都府訪問看護ステーション協議会に登録されている192事業所を対象に、質問紙調査による横断研究を実施した。在宅輸血に関するアンケートに回答した107事業所のうち、在宅輸血の実施経験がない、または実施経験が不明であると回答した事業所を分析対象とした。対象事業所を在宅輸血に対する意識が肯定的な群と否定的な群の2群に分類し、スタッフ数、利用者数、緊急時訪問看護加算取得体制の有無、在宅療養支援診療所からの指示書依頼経験、在宅輸血に関する相談・依頼経験、今後の在宅輸血への対応可能性、および在宅輸血に対する課題認識について比較検討を行った。統計解析には多変量ロジスティック回帰分析を用いた。本研究は当法人の倫理委員会の承認(SJ-EC-2025-01)を得て行われた。【結果】対象事業所は78事業所であった。在宅輸血に対して肯定的な意識を示した事業所は41事業所(52.6%),否定的な意識を示した事業所は37事業所(47.4%)であった。分析の結果、在宅輸血に関する相談・依頼経験(オッズ比(OR)[95%CI]=32.2 [1.22-848])および今後の在宅輸血への対応可能性(384[9.26-15900])が、在宅輸血に対する肯定的意識と有意に関連していた。スタッフ数、在宅輸血に対する課題認識などの要因については、有意な関連は認められなかった。【考察】今後、在宅輸血の導入を促進するためには、単に課題を列挙し対策を講じるだけでなく、在宅療養支援診療所や輸血実施経験のある医療機関との連携を強化し、相談・見学・部分的関与といった実践的な経験を積む仕組みづくりが重要であると考える。
